


平成21年12月15日、流通科学部3年・4年次生を対象とした「流通科学総合講義II(ホスピタリティ論)」の講義が、西4号館4201講義室で行われました。
本科目は、9月から1月の間に計15回、オムニバス形式にて行われ、産・官・学の卓越したリーダーの方々を講師としてお招きしています。
第12回目の講義は、久原本家株式会社 代表取締役社長の河邉哲司先生をお招きし、「モノいわぬモノにモノいわすモノづくり」をテーマにお話しいただきました。
河邉先生は、百年以上の歴史を持つ醤油製造に「キャベツのうまたれ」に代表される調味料製造を加え、こだわりの辛子明太子ブランド「椒房庵(しょぼうあん)」を展開、近年では、スローフードレストラン「茅乃舎(かやのや)」を成功させ、これらを「3本の矢」として久原ブランドの躍進につなげてきました。平成22年3月には「東京ミッドタウン」に、明太子や調味料を販売する「クッチーナ茅乃舎」を出店予定など、「くばらブランド」を全国区に押し上げてきました。
「永続することが、いちばん大切なんです」
「本物を追求していくこと」が、企業の永続につながるとのこと。製造段階では原材料の質にこだわり、店舗ではいかにお客様が感動するかを考えることを企業文化にしているそうです。椒房庵久山本店(福岡県久山町)では、「車でしか足を運べないようなこの地にわざわざお越しいただきありがとうございました」と、心からの感謝の気持ちを込めて、車が見えなくなるまで長く、深いお辞儀がすべてのお客様に行われます。
「最初はずいぶん従業員に指導しましたが、何度も何度も繰り返すうちに、それが文化になり、挨拶が感動を呼ぶまでに至ったんです」。
この長いお見送りには、東京から来店した「日経ビジネス」編集者が感動し、久原本家を取材するきっかけになったというエピソードもあるそうです。「挨拶や接客態度は、コストをかけずに差別化できることです。競争化社会の中で勝ち残っていくには、ホスピタリティ精神が重要です」。
すでに差別化できている高い知名度と品質を持ってなお、お客様への心のこもったおもてなしを実現するたゆまない努力に、くばらブランドの強さがあるのかもしれません。
「明確な目標を持つと、不思議なもので、それを叶えるために力となってくれる人が周りに現れます。みなさんも夢、志、目標を持ち、自分の長所を伸ばす努力をしてください」。
事業拡大の目標を実現してきた先生の言葉は、学生たちにしっかり響いたようでした。
〜学生のレポートから〜
福岡を代表する辛子明太子のブランドである「椒房庵」が、お醤油のメーカーに始まり、いろいろなご苦労をなさったうえでのビジネス展開であることを知り、河邉社長の偉大さを感じる講義でした。ホスピタリティに関連することでは、お客様に対するおもてなしが徹底されていること、明太子をはじめとする久原本家の商品(モノ)をきちんと作ることがお客様に対する誠実さを表現するなど、これまでの授業で学んできたことが実現されていると感じました。
福岡の企業が東京の百貨店やミッドタウンなどに進出されたことは同郷の者としてとても誇りに感じます。これからもがんばってほしい…と応援したくなります。このようにお忙しい中、たいへん有意義な講義を本当に感謝いたします。ありがとうございました。
