70 周年記念公開講座「人間教育フォーラム」を開催しました
5月12日(日)、70 周年記念公開講座「人間教育フォーラム」を開催しました。約640名の事前申し込みがあり、多くの参加者が会場の中村学園女子高等学校に来場しました。
本フォーラムでは、中村学園大学客員教授の占部 賢志先生と中村学園女子高等学校剣道部顧問の岩城 規彦先生をお迎えし、「人間教育~不易と流行~」と題して、人間教育の在り方や、心を鍛える指導について語っていただきました。対談の進行は中村学園大学短期大学部学部長の岩田 京子先生が務めました。
占部先生は、国民文化研究会参与、日本教育推進財団顧問、NPO法人「師範塾」の塾長ならびに「アジア太平洋こども会議」塾長を歴任されました。
岩城先生は、中村学園女子高等学校の剣道部顧問として同部を全国屈指の剣道強豪校にまで育て上げられました。
中村学園の人間教育を支えるお二方より、教育における「不易と流行」について触れながら時代の変遷を振り返っていただいたあと、「AI時代になぜ『人間教育』が必要なのか?」をテーマに対談していただきました。
占部先生は、AIの高度なデータ分析など「効率を上げるものはどんどん活用すべき」と、AIの活用を推奨されたうえで、「教育においては、今ここで、あなたと向き合うという『今』を大切にすることが重要」と述べられました。岩城先生も「人は人にしか磨かれない」と、人から学ぶことの大切さに触れ、AIの有用性とその限界について述べられました。
また、岩城先生からは、「剣道(技術だけ)を学ぶのではなく、剣道で心を学ぶことが大事」と、全国屈指の剣道強豪校の強さは「目標設定用紙」などで実践する「心の強化」にあったというお話を聞かせていただきました。お二人のそれぞれの人間教育のお話に、参加者は熱心に耳を傾けていました。
最後に、お二人に学園創立から今も受け継ぐ建学の精神についてお話しいただきました。世界の中での日本人としての自覚、言葉の力、剣道における礼節、周囲への感謝の心など具体的なエピソードを交えながら対談され、「根っこと翼をもった若者になってほしい」と聴講に集まった多くの若い参加者に激励の言葉を贈られました。
この講座をとおして、改めて学園の基盤となる建学の精神の価値を共有することができました。