山本ゼミ~4年生9名が研究発表を行いました~
2026年5月23日、日本教育工学会の研究会が、崇城大学池田キャンパス(熊本県熊本市)で開催され、教育学部の山本朋弘研究室の4年生9名が研究発表を行いました。
研究発表のテーマ・内容は以下の通りです。
吉武 尚央,山本 朋弘(2026)360度カメラで撮影した水面・水中の全天球映像を活用した河川学習に関する分析.日本教育工学会研究会報告集, 2026(1):418-424
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsetstudy/2026/1/2026_JSET2026-1-E11/_pdf/-char/ja
本研究は、小学校の総合的な学習の時間において、360 度カメラで撮影した地域の河川(水面・水中)の VR 教材を作成し、その有効性を分析しました。児童への意識調査の結果、河川学習への興味など 5 項目で授業後が授業前より有意に高い結果が見られました。また、水面映像との比較により水中映像の有効性が示されました。これらの結果から、VR ゴーグルを用いた全天球映像の視聴は、児童の興味・関心や知識獲得を促進する学習教材として有効であることが明らかになりました。
研究発表では、参加された先生方からのご指導をいただくことができ、これからの研究活動や相手への伝え方など、多くの学びを得ることができました。今回の学会発表で関わってくださった方に感謝するとともに得た学びを今後につなげていきます。
(吉武 尚央)

(吉武尚央さんが発表している様子)
溝田 正浩,山本 朋弘(2026)児童の生成AIを活用したバイブコーディングによるプログラミング授業の実践と評価.日本教育工学会研究会報告集, 2026(1):337-343
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsetstudy/2026/1/2026_JSET2026-1-D12/_article/-char/ja
本研究では、総合的な学習の時間で教師が設定した課題を達成する「教師設定型」と児童が課題を設定し、バイブコーディングによる「児童設定型」の活動をそれぞれ実践しました。意識調査の結果、プログラミングへの親しみやすさや自信の項目等で、授業後が授業前よりも有意に高い結果が見られました。このことから、バイブコーディングを活用した「児童設定型」の活動がプログラミングへの意欲を高め、主体的に学習に取り組む態度を育むことが示唆されました。
学会発表では、多くの先生方や学生の方々と意見交換を行い、自身の研究を客観的に見直すとともに、今後の研究の方向性について、新たな視点を得る貴重な機会となりました。今回の学会発表で得た学びを、今後の研究活動や教育実践に生かしていきたいと思います。
(溝田 正浩)

(溝田正浩さんが発表している様子)
岩永 萌菜,山本 朋弘(2026)小学校体育跳び箱運動での技の動画への生成AIによる評価コメントに関する分析.日本教育工学会研究会報告集, 2026(1):269-275
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsetstudy/2026/1/2026_JSET2026-1-D2/_article/-char/ja
本研究では、小学校体育跳び箱運動の学習において、生成AIを活用して技の動画を分析し、技のポイントや改善点のコメントを児童に通知して、個に応じた支援が可能かどうかを検証しました。授業前後の意識調査を分析した結果、授業後が授業前より、改善点の気づき、運動の楽しさ等で有意に高い結果となったことがわかりました。これらのことから生成AIを活用した動画分析は、児童の跳び箱運動に対する意欲や関心を高めることを明らかになりました。
学会での発表は初めてでしたが、発表内容を準備する段階から、発表までの活動を通して、多くの方々の協力や支援があることを実感しました。学会では、先生方に質問や感想をいただき、今後の研究に向けての学びを深めることができました。今回の学会発表で得ることのできた考えや学びを、これからの研究にも活かしていきたいと思います。
(岩永 萌菜)

(岩永萌菜さんが発表している様子)
黒田 祥衣,山本 朋弘(2026)小学校算数でのVRを活用した図形学習に関する分析.日本教育工学会研究会報告集, 2026(1):310-315
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsetstudy/2026/1/2026_JSET2026-1-D8/_article/-char/ja
本研究では、小学校算数科の「図形」学習において、VRゴーグルを用いた学習方法が、児童の空間認識に関わる学習意欲に及ぼす影響を比較・検証しました。授業前後の児童向け意識調査を分析した結果、図形への興味・関心に関する項目で、授業後が授業前より有意に高い結果が見られました。これらのことから、VRゴーグルによる空間把握を取り入れた学習は、児童の空間認識への学習意欲を高めることを明らかにしました。
初めて学会で発表させていただき、大勢の先生方の前で発表する緊張感や内容を分かりやすく伝える難しさについて実感しました。自身の研究に関しては、たくさんの先生方から貴重な意見等をいただくことができ、研究に対しての考えが深まりました。また、他の参加者の発表を見て、児童にとって効果的なICT活用について考えることができました。
(黒田 祥衣)

(黒田祥衣さんが発表している様子)
村藤 華子,山本 朋弘(2026)生成AIで作成した教材アプリを用いた小学校外国語の複線型授業に関する分析.日本教育工学会研究会報告集, 2026(1):276-283
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsetstudy/2026/1/2026_JSET2026-1-D3/_article/-char/ja
本研究では、小学校外国語の授業において、生成AIを用いて開発した教材アプリを従来の学習コンテンツに加えて、児童自ら主体的に学習できる環境を整え、児童が学習材をどのように活用するかを検証しました。授業前後の児童向け意識調査を分析した結果、自己決定と自己省察の項目等で授業後が授業前より有意に高い結果が見られました。このことから、生成AIで作成した教材アプリを活用することで、自らの学習の進め方を決め、振り返り、改善しようとする意識を高めることを明らかにしました。
初めての学会発表は緊張や不安でいっぱいでしたが、これまで準備してきたことを信じ、落ち着いて発表することができました。他の先生方の素晴らしい発表を聞いて多くのことを学ばせてもらいました。今後の研究がよりよいものとなるように、今回の貴重な経験を生かしたいと思います。
(村藤華子)

(村藤華子さんが発表している様子)
大塚 水月,山本 朋弘(2026)360度カメラで撮影した授業映像をVRゴーグルで視聴した大学生の授業評価に関する分析.日本教育工学会研究会報告集, 2026(1):396-401
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsetstudy/2026/1/2026_JSET2026-1-E8/_article/-char/ja
本研究では、授業経験年数が異なる教師に授業を実践してもらい、360度カメラを用いて撮影した全天球の授業映像をVRゴーグルで大学生に視聴させ、視聴後に大学生がどのような評価を行うのかを分析しました。映像に対する満足度と映像内のやり取りに関する項目において、授業経験年数の低い教師の映像が授業経験年数の高い教師の映像より有意に高い結果が見られました。このことから、大学生が評価する際に、授業者の授業経験によって、授業映像への評価が異なる可能性があることを明らかにしました。
今回、学会で発表させていただき、準備段階の大切さや大勢の人の前で発表する緊張感を感じることができました。また、たくさんの先生方からご意見やご助言をいただき、自分の研究をさらに考えるいい機会になりました。この経験を今後の学びに生かしていきたいです。
(大塚水月)

(大塚水月さんが発表している様子)
吉田 美央,山本 朋弘(2026)小学校理科授業の児童の振り返りに対する生成AIのフィードバックに関する分析.日本教育工学会研究会報告集, 2026(1):6-13
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsetstudy/2026/1/2026_JSET2026-1-A2/_article/-char/ja
本研究は、小学校理科の実験・観察における児童の振り返りに対して、生成AIによるフィードバックが児童の探究過程に与える影響を検証しました。授業前後の意識調査を分析した結果、探究意欲や振り返りへの意識に有意な向上が見られました。生成AIによって、個に対応したフィードバックを作成でき、振り返りが向上する可能性が見られたが、フィードバックの精度を高めるためには人的支援が必要であることが示されました。
学会発表は初めての経験であり、大きな緊張の中で臨みました。研究内容に対して多くの意見や助言をいただき、自分では気付かなかった視点や、研究を深めるための新たな視点を得ることができました。今後は今回得られた反省や学びを生かし、より良い研究活動や発表につなげていきたいと考えています。
(吉田美央)

(吉田美央さんが発表している様子)
朝井 舞緒,山本 朋弘(2026)大学生の授業研究における情報整理を支援するAI活用に関する分析.日本教育工学会研究会報告集, 2026(1):390-395
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsetstudy/2026/1/2026_JSET2026-1-E7/_article/-char/ja
本研究では大学生が授業研究で情報整理を行う際に、生成AIを活用した実践を行いました。その際、どのような資料を収集し、どのような出力を参考にするかを検証しました。意識調査等を分析した結果、生成AIの活用経験が有用性の認識に影響を与えていることが明らかになりました。さらに、自ら作成した資料や公開された資料の両方をソースとして分析していることが分かり、視覚的に分かりやすい機能が多く活用されていることも明らかになりました。これらのことから、大学生が授業研究で生成AIを活用することが、情報整理を支援することに有効である可能性を明らかにしました。
今回、学会発表という貴重な経験をさせていただき、自分の研究について新たな視点から考え直すことができました。今後は効率化だけに着目せず、生成AIを活用する際の利点と課題について改めて整理し、分析していきたいと思います。今回発表する中で気付いた反省点や多くの方からいただいた質問は、今後の研究に生かしていきます。
(朝井舞緒)

(朝井舞緒さんが発表している様子)
永末 蓮,山本 朋弘(2026)小学校での計算論的思考の要素に基づく偽情報の判断プロセスの分析.日本教育工学会研究会報告集, 2026(1):450-455
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsetstudy/2026/1/2026_JSET2026-1-F3/_article/-char/ja
本研究では、偽情報の判断に関する授業を実施し、計算論的思考に基づいて、問題提起・分解・一般化・アルゴリズムの判断プロセスで児童が情報の信憑性を判断できるかを 検証しました。授業前後の児童向け意識調査を分析した結果、検索への意欲や偽情報の用語に対する理解の項目等で、授業後が授業前より有意に高い結果が見られました。これらのことから、計算論的思考の要素に基づく判断プロセスが、情報の真偽を判断するうえで有効な学習過程の一つである可能性を明らかにしました。
今回、学会発表という経験をさせていただき、自分の未熟さを感じながらも大きな経験となり、自信の向上につながりました。発表を通して、様々な先生方から専門的なお立場からご意見をいただくことができ、今後の方向性を定めることができました。今回の経験で得た学びを今後につなげていきます。
(永末蓮)

(永末蓮さんが発表している様子)
【発表を振り返って】
研究発表会では、令和7年11月から準備を進め、春休みに行った検証の成果を発表しました。
初めての検証で分からないことだらけでしたが、検証の協力をしていただいた小学校の皆さんや指導教員の山本朋弘先生のご指導のおかげで、無事に発表することができました。発表後は、たくさんのご意見やご質問をいただき自分の研究について深く考え直すことができ、今後の研究に向けて課題や目標を持つことができました。また、大会に参加していた研究者の方や大学院生の発表を聞き、最先端のICT教育についても学びとてもいい経験になりました。
今後は、今回いただいたご助言を参考に自分の研究についての考えを深めていくとともに、教育現場での効果的なICTの活用についても学んでいきたいです。
(大塚水月)
