中村学園大学・中村学園大学短期大学部

オーナーシェフ 中川英樹氏による特別講義

2026年6月10日

フード・マネジメント学科の3年生対象科目「キャリア形成演習」では、福岡市を拠点に複数の飲食店を経営するオーナーシェフ・中川英樹氏をお招きし、特別講義を実施しました。中川氏は、長崎県南島原市出身。農家を営む家庭に育ち、高校では農業を学んだ後、東京・福岡のレストランでの修業、イタリアでの1年間の料理修行を経て、30歳で「なかがわ」を開業。現在はイタリアン、水炊きと鴨鍋、紹介制レストランの3店舗を経営するほか、浄水通りのパティスリー「blanc」の監修も手がけています。
講義では、幼少期の食体験から料理人を志したきっかけ、修業時代の苦労、そして独立・経営に至るまでの歩みを率直にお話しいただきました。幼い頃、年に一度か二度連れて行ってもらえた洋食屋での体験が料理の道を志す原点になったというエピソードは、学生たちに「食が人を幸せにする力」を改めて実感させるものでした。
「九州の風土で育まれた旬の食材に寄り添い、生産者の想いまで皿の上で表現する」——農家出身ならではの視点に根ざしたこれらの言葉は、料理人の役割と創造性を改めて考えさせるものでした。また、人材育成への真摯な姿勢や、「まず自分を知ってもらうこと」「自信を持って独立すること」といった言葉は、就職活動を目前にした3年生にとってリアルな指針となりました。


学生の感想

今回の講話の中で特に印象に残ったのは、「九州の風土で育まれた旬の食材に寄り添いながら、生産者の想いまで皿の上で表現していく」というお話です。その言葉には、中川さんの料理人としての存在意義や価値観が強く表れていると感じました。飲食店の経営者として利益だけを追求するのではなく、生産者から消費者まで、関わるすべての人が幸せになれる価値を大切にされている姿勢に深く感銘を受けました。今回のお話を通して、「何のために、誰のために仕事をするのか」を考える大切さを学ぶことができました。

特に印象に残ったのは、「100円の食材をどうやって1万円の価値にするか」という言葉です。料理人の技術や工夫、努力次第で価値が大きく変わることを学びました。食材そのものだけではなく、そこにどれだけの生産者への想いを大切にするか、どれだけ長い時間をかけて追求していくかが本当の料理の本質なのだと思いました。また、「高くてもまた来たいと思ってもらえる価値を作ることが大切」という言葉から、技術だけでなく、生産者や地域への理解、そしてお客様に想いを伝える力も必要なのだと感じました。

印象に残ったのは、「人を育てる上で大切にしていること」として、挨拶・感謝・身だしなみを挙げられていたお話です。料理の技術や知識だけでなく、人としての基本を重視されている点に深く共感しました。また、シフト制を導入し休みを増やしたことでスタッフが複数の役割を経験し、教え合う環境ができてスタッフの成長速度が上がったというお話も印象的でした。「なかがわ」で経験を積んだ方々が独立して活躍されているというお話からも、料理だけでなく、人を育てることに力を入れていることが伝わってきました。


講師プロフィール
 

中川 英樹(なかがわ ひでき)
株式会社なかがわ 代表取締役。長崎県南島原市出身。農業高校卒業後、東京・福岡のレストランで修業。26歳でイタリアへ渡り1年間料理修行を経験。30歳で福岡市薬院にイタリアンレストラン「なかがわ」を開業。
現在は3店舗のオーナーシェフとして活躍するほか、パティスリー「blanc」の監修も手がける。
■ イタリアン「なかがわ」:https://www.nakagawa-honten.com/
■ 博多とり鍋「なかがわ」:https://www.nakagawa-hakatatorinabe.com/