園長のささやき

砂場と、川

(3月中の更新が間に合わず、日付を遡って掲載しました。)

3学期が終わり、春休みの数日間、壱岐幼稚園では預かり保育を
実施しました。この時、本当に久しぶりに、子どもたちの砂場遊びを
ゆっくり眺めました。

子どもたちと、お預かりの先生が、砂場に水が流れる道筋を
掘り進めていきました。そこに、水道からホースで水を流し
始めました。すると、水は水路を通って先へ先へと進みました。

深く掘ったところで水の流れは止まり、溜まっていきました。
その水たまりから、更に水路を掘り進めていくと、溜まった水が
流れていきました。

先に掘り進めていく子どもたちの姿を眺めながら、ふと、最初に
できた水路を見ると、水が澄んでいました。水路のカーブでは、
特にアウトコースの壁がえぐられていて、インコースには比較的
大きめの砂利がありました。

これはまさに、小学5年の理科で学ぶ、「川の流れ」そのものです。

壱岐幼稚園の子どもたちは、砂場遊びを通して、「川の流れ」を
作りだし、観察し、実験しているのです。もちろん、子どもたちは
そんな風に受け止めていません。ただただ、楽しんでいます。

それでいいのです。何年かして「川の流れ」を学んだとき、子ども
たちの脳裏には、砂場遊びでの水路づくりが浮かんでいるでしょう。
単に教科書を読むよりも、実体験に基づく学習は、定着力が違います。

このことが、壱岐幼稚園での「好きな遊び」の意味なのです。