この冬はインフルエンザだけでなく、いや、それ以上に、新しい
感染症が世間を騒がせています。
(園庭に咲いた、紅梅です)
私たちは、冷静に、状況を把握し、分析し、自らの行動を考える
必要があります。客観的なデータに基づくべきであり、主観的な情報に
振り回されないように、意識しなければなりません。
客観的なデータとは、何でしょうか。
国内や国外の、罹患者数や死亡者数。これらから計算できる致死率。
確認されている感染経路。感染経路が不明な患者が発生している
という事実。
韓国では過去のウイルス感染経験から、ウイルス検査の態勢が整って
おり、現に毎日何千人もの患者の検査が可能である一方、日本では
現時点で、実際に検査できるのが1日あたり1,000件を下回っている
こと。アメリカでは国民皆保険制度が整備されていないため、日本では
考えられないほど、通院費用がかかること(一説には自己負担金の
桁が違うらしい)。
各国の感染者数を比較することは、説得力のある議論だと錯覚しますが、
各国ににおける検査態勢は、同一ではありません。各国の罹患者数とは、
各国で把握できている罹患者数であり、国内で罹患しているすべての
人数ではありません。検査態勢や方法もまちまちであることは否めない
ならば、そもそも、国別の罹患者数や罹患割合を一覧表にすること自体、
ナンセンスです。
この騒動を機に、数字の意味するところ、あるいは、比較することの
わかりやすさと恐ろしさを学ぶ機会としたいものです。