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栄養科学科 末武ゼミの研究紹介 

2022年1月18日

中村学園大学 栄養科学部栄養科学科では、4年次からゼミ活動がスタートします。
学生はそれぞれの深めたい研究テーマに沿った教員のゼミを選び、卒業論文の完成に向けて研究活動をしています。

今回は末武ゼミの活動の様子を紹介します。
末武ゼミでは、主に生化学の分野で、設定したテーマ別に3つのグループにわかれて研究を進めています。

各グループがどんな研究をしているかを紹介します。

・脂質化タンパク質についての研究
わたしたちの身体をつくるタンパク質は、体の中で適切に制御されるために、リン酸基、糖鎖などがつけられ、それぞれ化学的な性質を変えています。タンパク質がそれぞれの性質をもつことを「翻訳後修飾」といい、末武ゼミの研究グループでは、細胞核にあるタンパク質のあまり知られていない脂質化について研究を行っています。
グループメンバーは、遺伝子発現をコントロールするヒストンというタンパク質の脂質化が、人間の肥満や生活習慣病と関連するのではないかという仮説を立てました。まず、その研究・解析に不可欠な抗体を用意しようと取り組んでいます。
このような抗体が作成できれば、将来的には肥満と遺伝の関連性を明らかにする研究が進み、栄養指導にも役立てられると考えています。

・水素発生システムの構築
脱炭素時代の新しいエネルギーとして注目される水素は、体内では食物繊維を摂取するときに、腸内細菌の働きによって発生します。食物繊維の効果としてあまり注目されてきていませんが、身体にもよいことがわかっています。例えば、水素は、脳梗塞などの疾病に対して改善効果をしめすだけでなく、老化やがんの原因となる過剰な活性酸素と結びつき、水となって体内から活性酸素を除去します。
末武ゼミのメンバーは、シリコン製剤を用いた水素発生システムを構築し、体内に近い条件で安定的に水素を発生させています。これにより、食物繊維の機能の一つだけをとりだし、研究できるだけなく、さらにシリコン製剤の健康食品としての機能をあきらかにすることにより食との組み合わせの研究に展開できると考えています。

・パーキンソン病の発症・予防に効果的な食材な食品などを探る
パーキンソン病は、認知症のひとつで、手足の動かしにくさ、震え、こわばりなどを症状とする進行性の神経難病です。超高齢化社会ではパーキンソン病を含む認知症の特効薬の開発が急務となっています。
末武ゼミでは、パーキンソン病に、特定のタンパク質(αシヌクレイン)のファイバー化が関わることに着目し、このファイバー化を抑制する因子の研究に取り組んでいます。
これまでに、アスパラガスの葉、いちごの葉、そしてキノコの抽出液にファイバー化を抑制する活性を見出しています。

ゼミ生は、「高校生のときは、自分が大学で、こんな研究をするとは想像もしていなかった!」といいます。

それぞれの研究には超高齢化、健康寿命を延ばすことといった社会的な背景やテーマがあります。管理栄養士を目指すナカムラでの学びは、私たちの健康社会を支える社会貢献につながっていることがわかります。

 

ゼミ生たちは、テーマ・研究目的に適した実験方法を構築します。

研究テーマによって使用する薬品や器具が異なります。

研究テーマによって使用する薬品や器具が異なります。

 

実験の結果を整理して、ゼミ生がお互いにプレゼンテーションを行います。

お互いの研究内容について、積極的に意見交換をします。

「ゼミでの研究活動は楽しいです!」