はじめに

当研究室では卒業研究論文集を「幼児保育」と中村学園の学園祖 中村ハル先生の遺訓「努力の上に花が咲く」を組み合わせて「中村学園大学短期大学部「幼花」論文集」(以下、「幼花」論文集と記す。)と名付けております。但し、これは中村学園大学短期大学部としての正規の発行物ではありません。「幼花」論文集は当研究室にて作成した卒業研究論文の論文集です。

「幼花」論文集についての問い合わせは下記へお願いいたします。

問い合わせ先
〒814-0918福岡市城南区別府5-7-1
中村学園大学短期大学部幼児保育学科 橋本弘治
Mail:hashimot@nakamura-u.ac.jp

ゼミの概要

論理的思考(洞察力・展開力)と情報化社会を生き抜く力(情収集能力・情報解析能力・情報発信能力)を養うことを目的に『論理的視点「真と偽」で物事を見つめることによりその奥底にある真実を探求する』をテーマとして、ゼミ生それぞれが定めた題材(保育関係・環境問題・社会問題・国際社会・戦争と平和・政治と経済・等)について調べていきます。

2023年度卒業論文タイトル (18人)

  1. 高島 , 宮崎 , 横尾 , 岩瀬 , 上野 ; 整形
    概要:最近、若者の中で整形が流行っており、様々なコンプレックスを感じる子どもへの影響が議論されている。そこで、本研究では日本の整形の現状や瀬英携帯国と知られる韓国の整形事情につて考えると共に、子どもの整形について考察していく。

  2. 長 , 花田 , 馬場 , 石井 , 作本 ; 子どもを縛る環境改善
    概要:今現在、学校生活を送っている子ども達に対して多くの縛りがあることが目立っており、そこには必要ないものや過剰に反応しすぎているものがあることも事実である。その結果、子どもたちの生活する環境で課題とされている「ジェンダー」や「ランドセル」といったものに加え、学校で定められる「学則」が大人の都合によって子どもたちの人権を侵害している可能性も否定できない状況である。そこで、本研究では女性の美意識事情、中学、高校の校則問題、小学校の学則問題に着目し、子ども大人それぞれにとってストレスフリーな生活を送る為には何が必要であるかについて考えていく。

  3. 井上 , 仲村 , 平川 , 藤田 ; カエル化
    概要:最近、若者の間でカエル化が話題となっており、若者の恋愛観の変化が社会問題となりつつある。そこで、本研究ではカエル化の実態について考察すると共に、アンケート調査からその原因について考えていくことにする。

  4. 堀江 , 松瀬 , 森 , 良永 ; ダイエット
    概要:最近では、体型を気にせず洋服を選べるようになりたいという願いからダイエットをする女性が増加している。しかし、過度なダイエットは身体に大きなデメリットを及ぼす危険がある。そこで、本研究では世界と比較した日本のダイエットの現状について考察すると共に、ダイエットの主な要因として考えられる美について、真の美とはなんであるかについて考えていく。


2022年度卒業論文タイトル (10人)

  1. 大石 , 本永 , 吉国 , 吉原 , 住吉 ; 子どもとSNS
    概要:情報社会が広まって、携帯一つで何事も調べることができ、便利な世の中へと変化してる。このような情報社会の中で生まれてくる子ども達に対して、子どもに携帯を持たせるべきか、持たせる時期はいつ頃か、等、多くの保護者は悩んでいる。しかし、情報社会だからこそ子どもの頃から正しい利用スキルを身につけることが望ましいことではないだろうか。そこで、この研究では SNS トラブルや情報関係について考察していくと共に、 SNS の子どもへの影響について考えていくことにする。

  2. 大北 , 坂本 , 八田 , 坂田 , 吉永 ; 保育現場とオタク文化
    概要:情報社会が広まって、携帯一つで何事も調べることができ、便利な世の中へと変化してる。このような情報社会の中で生まれてくる子ども達に対して、子どもに携帯を持たせるべきか、持たせる時期はいつ頃か、等、多くの保護者は悩んでいる。しかし、情報社会だからこそ子どもの頃から正しい利用スキルを身につけることが望ましいことではないだろうか。そこで、この研究では SNS トラブルや情報関係について考察していくと共に、 SNS の子どもへの影響について考えていくことにする。


2020年度卒業論文タイトル (1人)

  1. 古賀 ; 絵本の可能性とメモリアル絵本
    概要:子どもの頃に誰もが親しむ絵本であるが、成長するに連れて絵本を読む機会は減少して、やがて目にする機会を失うことが殆どである。また、絵本は子どもが親しむものと認識されているが、一方で、多くの人々が昔読んだ絵本や昔話を懐かしい記憶として感じているのではないだろうか。現在、高齢社会が進み多くの人に健康寿命が重要であると認識されている中で、子どもの頃の懐かしい記憶が一つの可能性となるのではないだろうか。そこで、本研究では健康寿命に重要と考えられる歌うことや笑うことについて紹介すると共に、新たな可能性としてのメモリアル絵本について提案する。


2019年度卒業論文タイトル (12人)

  1. 平田 , 江上 , 大杉 ; 子どものなりたい職業
    概要:子どもが将来就きたいと考える職業はその時折の時代を象徴するものや成長期の子どもらしさ溢れる職業等の様々な可能性が考えられる。では、現在の情報社会において私達の生活はICTやSNS等を活用した便利な社会となっているが、子ども達の夢にどのような影響が及んでいるだろうか。そこで、本研究では子ども達が夢見ている職業の変化について調べると共に、女性の社会進出が進む中で深刻な問題となっている保育者不足の原因と子どもが将来就きたいと考える職業との関係について考察していくことにする。

  2. 諸岡 , 脇野 , 山下 ; タピオカからみえる日本人の変化
    概要:若者に人気で話題のタピオカは日本固有のものではなく、海外から輸入されているものである。日本が海外から様々に輸入することによって海外でどのような変化が起こっているのだろうか。また、日本古来の食文化が海外から多く輸入されることによってどのように変わっているのだろうか。そこで、本研究ではタピオカから見える日本人の体格の変化、そこから見える日本の文化について考察していくことにする。

  3. 伊藤 , 井村 , 上村 ; メンヘラ
    概要:近年、心に何かしらの問題を抱えているという意味合いで女性に対してメンヘラという言葉が若者の間でよく用いられいる。メンヘラの女性が増えている背景にはどのような理由があるのだろうか。そこで、本研究では働く女性の現状を知ると共に、今日においてメンヘラ女子が増える理由を女性の社会進出の時代となったことで生じているであろう女性が抱える問題と比較しながら考察していくことにする。

  4. 穴井 , 古見田 , 林 ; ゆとり教育の検証
    概要:近年、マスコミで頻繁に取り上げられている話題の一つである「ゆとり教育」がある。そして、その報道の大半がゆとり教育が日本社会に与えた負の影響についてばかりである。本当にゆとり教育は失敗であったのか、また、何らかのメリットはなかったのであろうか。そこで、本研究ではゆとり教育が日本社会に与えた正の影響に注目して検証すると共に日本の教育を世界と比較することでゆとり教育を検証していくことにする。


2011年度卒業論文タイトル (16人)

  1. 塚原 , 馬場 , 松永 ; ゲーム
    概要:昨今、昔の子どもたちに比べて現代の子どもは室内にこもり、外で遊ぶことが減少していることが危惧されている。この原因として、子どもの遊びの一つでもある「テレビゲーム」が関係していることを良く耳にするが、実際、テレビゲームが子ども達をどのように左右してどのように影響しているのだろうか。そこで、本研究ではテレビゲームの歴史や種類について考察すると共に、その利点や問題点を日本との比較として先進国や発展途上国の状況について明らかにしていくことにする。

  2. 冨永 , 廣川 , 元村 , 山下 ; 児童文学
    概要:子どもに親しまれている昔話は、その当時の時代背景を主に書き換えられていることが多く、戦争や教育方針などが関係している。例えば、日本昔話は主に子どもの成長に悪影響とならないようにと良い話へと変換されて伝えられた場合が多く、その時代特有の教育的な考え方によって様々に書き換えられているのである。このように、時代と共に書き換えられてきた昔話であるが、書き換えられる前の物語はどのようなものであり、どの部分が書き換えられてきたのであろうか。そこで、本研究では日本昔話や西洋で有名なグリム童話に注目して、その詳細を明らかにすると同時に、書き換えられなかった物語として有名な「星の王子様」についても考察していくことにする。

  3. 浅田 , 香月 , 木下 , 手塚 ; 人間の心理について
    概要:私たちが生活している現代社会では核家族の問題や少子高齢化問題、熟年離婚問題や女性の社会進出などの生活形態の変化、インターネットによる情報の氾濫や環境問題など様々な社会問題を抱えている。そこで、本研究では喜怒哀楽をテーマとして人間の感情や身体への影響を調べると共に、男女の心理をテーマとして男女の考え方や感じ方の違いを比較することにより、人間の心理について明らかにしていく。

  4. 安藤 , 石橋 , 江島 ; 生活
    概要:人間が服を着たり、家の中で生活をすることは当たり前のように行っていることであるが、それには単に生きるということだけではなく、何らかの意味があるはずである。また、私たち動物は食べること、寝ることを欠かさず生活しているが、何故食べることや寝ることを必要とするのだろうか。そこで、本研究では衣食住の歴史や背景を調べることによりその意味について考察すると共に、食が心身に及ぼす影響を始め、食の利点、寝る時に見る夢等、様々な観点から人間の生活について考察していくことにする。

  5. 逸見 , 本村 ; 人類の進化・変化について
    概要:人間は理性を持って生きており、理性を持つことで様々な社会が構成され、文化が生まれ、技術が発達することで人間中心の世界が完成されていった。また、家族を守り協力して生きていくだけでなく、他人同士でも助け合って生きていく社会が人間には生まれたのである。しかし、その一方で其々の理性による価値観の違いで、人間同士を殺しあう悪の部分も出てきた事も事実であり、現実として世の中には善と悪が様々な場面で存在している。すなわち、変化し続けていく世の中には人間の持つ「理性」が大きく関わっているのである。そこで、本研究では人類の変化や理性の始まり、また、理性とは何かについて考察すると共に、理性が芽生えることに大きな関わりを持って成長していく子ども達の在り方を明らかにしていく。


2010年度卒業論文タイトル (31人)

  1. 長尾 , 村上 , 元木 ; 早期教育について
    概要:元来、「子どもは遊びの中で育つ」と言われているように、子どもは遊びの中で様々な事を学び、遊びと並行して所謂「習い事」を幼少期に経験することで社会性や自主性、知能・知識を身に付けるものであった。そして、それは子ども自身が習い事に興味を示したり、大人が子どもに社会性を身に付けさせる為であり、現在、大人となった私達はそれを懐かしい経験として有しているはずである。しかしながら、近年では「遊びや習い事」の文化から「親が率先して行う早期教育」へと状況が変化している現状である。このような変化について、「時代の変化」の一言で片づけることは簡単なことであるが、この変化が子ども達にどのような影響を与えるかについて、大人として真剣に考える必要があるのではないだろうか。そこで、本研究では早期教育の歴史や現状を明らかにしていくと同時に、どのような利点や問題点があるのかについて、また、今日において早期教育が求められる理由や今後の課題について日本と世界を比較しながら考察していくことにする。

  2. 西平 , 井上 , 河本 ; 保育の現状
    概要:近年、子どもやその親に関する、つまり、保育に関するニュースをよく耳にする。保育とは、家庭等で乳幼児や児童を保護して育てることで、養護と教育が一体となった概念であり、子どもが成長していく上で非常に重要なものである。しかし、待機児童や早期教育、児童虐待等、現在では子ども達を取り巻く保育の環境には多くの問題が溢れていることも事実である。このような状況下において、これらの問題を解決する為に国や地方は様々な施策を行っているが、問題は減少するどころか増加している現状である。この理由として、国や自治体が行う施策と家庭を含めた保育現場が求める施策との間に大きな差異が存在することが考えられるのであるが、それがどのようなものなのか、また、それ以上に少子化時代における保育の現状を私達はどの程度に理解しているのであろうか。そこで、本研究では国や地方、そして、現場で働く保育者等、現在の保育の現状を明らかにすると同時に、少子化時代における社会の課題について詳しく考察していくことにする。

  3. 阿部 , 田中 , 萩原 ; 子どもの衣・食・住について
    概要:現在、世界の進歩に伴い、私達人間の衣・食・住も共に進歩してきた。そして、生活をしていく中で大変暮らし易く便利な環境を私達は手に入れ、また、子育てにおいても多くの便利で使い易い道具等が発売され、活用されるようになっている。しかし、その便利さや暮し易さが果たして子ども達にとって全てが良いものなのであろうか。加えて、近年増加傾向にある虐待の現実や世界各国の子ども達を取り巻く環境が如何に悲惨であるかを、目を逸らさずにしっかり受け止める事が私達大人には必要なのではないだろうか。そこで、本研究では衣・食・住という視点から現代の子ども達の置かれている現状を明らかにすると共に、世界における子ども達の環境について詳しく述べていくことにする。

  4. 畠山 , 林 , 門出 ; 乳幼児教育
    概要:現在、少子化や女性の社会進出に伴い、乳幼児教育や早期教育が注目を集めている。具体的には、モンテッソーリ教育やシュタイナー教育、ヨコミネ式教育等の教育法が挙げられ、早期に教育を開始することで脳の神経回路を増やして天才児を育てる事や絶対音感を身に付ける事が可能になるという成果が上げられている。このような能力は誰もが魅力的に感じるものであるが、その反面、能力を身に付けることだけに固執することにより子どもの精神的な負担や協調性・道徳心等の社会で生きていく上で大切となる社会性が欠如する等、様々な問題が生じていることも事実である。このような問題に対して、どのように対応していくかが今後の教育の課題であり、子ども達の健やかな成長にとって重要なことである。そこで、この研究では乳児教育が注目を集めている理由を明らかにすると同時に、表面上は利点のみを謳っている様々な教育法の裏側に存在する問題点について詳しく考察していくことにする。

  5. 猪口 , 岩田 ; 日本で人気のアニメについて
    概要:アニメは1963年のテレビアニメ放送開始以来、昔も今も変わらず幅広い年齢層から愛され続けており、私達の生活と密接な関係にあると共に、今日では世界中で受け入れられる日本の代表的な文化となっている。その理由としては、アニメは単に見て楽しむだけのものではなく、子ども達に多くの夢や希望を与え、生涯に渡り文化や伝統の継承といった大切なことを伝えているからである。しかしながら、アニメが発展するに連れて暴力的な内容を含む作品の増加、視力低下、肥満等、様々な問題が懸念されるようになっている。更に、近年では少年による暴力事件とアニメ番組との因果関係が指摘される等、大きな社会問題の一つと考えられるようにもなっている。このような様々な影響を与えるアニメについて、少子化時代を迎えた現在、私達は社会全体としてアニメについて理解しておくべきではないだろうか。そこで、本研究では人気高いアニメの作者の生い立ちや作品に込めた思いを紹介していくと同時に、アニメの及ぼす効果や悪影響について考察していくことにする。

  6. 江藤 , 大穂 , 楢崎 ; お菓子の歴史
    概要:第二次世界大戦後、食生活の欧米化が急激に進み、ファストフードやインスタト食品、ファミリーレストランやコンビニエンスストアの出現等の社会環境の変化もあり、高カロリーかつ高脂肪の食生活が日本に定着することとなった。特に、かつての日本人があまり摂取しなかった動物性脂肪を多く摂取するようになったことが一番の変化であり、近年ではこれらの食生活による生活習慣病や肥満等の若年化が危惧されている。また、これらの問題は医療費の増加等、少子高齢化を迎えた日本において深刻な社会問題となっている。このような現状の中、問題解決の為に様々な研究が行われており、その原因の一つとしてお菓子の過剰摂取が指摘されている。現在では多くの人々がお菓子と食事を区別して考えており、例えば「食事制限」という言葉があるように健康の為に食事を制限することはあっても食事を断つことはないであろう。一方、お菓子には「禁止」という表現がしばしば用いられるように、可否の議論が大半となっている現状ではないだろうか。しかしながら、お菓子は古くから人々の生活の中に存在しているものであり、また、人々に幸福感を与えるものであり、すなわち、お菓子は食事と同様に人々に必要な存在であること私達はどれ程認識しているであろうか。そこで、本研究では古くから人々の嗜好品として愛されてきたお菓子について、日本を始めとする世界のお菓子の歴史を紹介すると共に、お菓子が人間に与える身体・精神面での影響や多くの人々に必要とされ食べられているお菓子の魅力を詳しく考察することにする。

  7. 大島 , 村上 , 村山 ; アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ~星の王子様~
    概要:「星の王子さま」は100以上の言語に翻訳され、世界各国の子どもから大人までの幅広い人々に愛され続けている。その理由は、幻想的な雰囲気の中で王子さまが伝える名言の数々が人々の心に素直に打ち響くからである。「星の王子さま」以外にも世界には数多くの児童文学があり、世界中の子ども達に親しまれているが、実はその殆どが子ども向けに分かりやすい話に書き換えられていることはあまり知られていないことかもしれない。例えば、グリム童話の「シンデレラ」は主人公が姉にナイフで足を切り落とされるというのが原作であり、日本昔話の「桃太郎」は桃を食べて若返った老夫婦の子どもが主人公というのが原作である。このように、日本も含めて世界の多くの児童文学は時代に即して修正されているが、一方で「星の王子さま」は挿絵を除く本文に関して、現在に至るまで原文が受け継がれているのである。そして、この理由には作者の戦争体験が大きく関係しており、多くの研究者の研究対象となっている。そこで、本研究では作者アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリがこの作品に込めたメッセージを読み解いていくと同時に、その真相に迫っていくことにする。

  8. 川端 , 興梠 , 築地 ; ゆとり教育について
    概要:日本における教育方法として長年取り入れられてきた、所謂「つめこみ型」の教育が批判されるようになり、「ゆとり教育」が登場した。ゆとり教育とは個人のペースに合わせて授業を進めるという教育であり、1970年代に日本教職員組合が「ゆとりある学校」を提起して、国営企業の民営化を推し進めた第2次中曽根内閣の主導の下に「公教育の民営化」という意味合いの中で「ゆとり」を重視した教育として2002年度から実質的に開始された。しかし、「ゆとり教育」はその目的の達成が検証させていない状態の中、詰め込み教育に反対していた日本教職員組合や教育者、経済界等の有識者からは支持されていた一方で、生徒の学力低下の原因として批判されるようになった。更に、「ゆとり教育世代」が社会進出し始めた現在において、基礎的な学力や応用力について、現役世代とのギャップや国際競争力の低下等が懸念されている。このような背景の下、国際学習調達度調査(PISA)の結果を堺にゆとり教育の見直しが行われ、2008年には内容を縮小させていた今までの流れとは逆に、30年ぶりに内容を増加させた新学習指導要領が告示され、これに先駆け、東京都では新学習指導要領実施に合わせて学校5日制についても見直す動きが出ている現状である。そこで、本研究ではこれまで行われてきたゆとり教育の概要やゆとり教育がもたらした様々な影響および懸念について明らかにしていくと共に、今後の課題について考察していくことにする。

  9. 高橋 , 橋本 ; アニメ・漫画の影響
    概要:アニメや漫画は私達にとって常に身近な存在であると共に、現代の日本では文化とも言える存在となっている。しかし、これらに描かれている暴力シーンや性描写は年々激しさを増しており、「命の感覚」や「性に対するモラル」が希薄化することでイジメや性犯罪等が増加することが懸念されていることも事実である。例として、少年が子どもの首を切り落とすといった凶悪犯罪や幼児に対する性犯罪等、子どもや若者が被害者/加害者となる事件が近年相次いで発生していることが大きな社会問題となっているが、このような犯罪はアニメや漫画の影響を受けている事は少なくはないのである。勿論、アニメや漫画は悪影響ばかりではなく、子どもの想像力を促進させ、人を思いやる気持ちや人を信じることの大切さ、そして、夢や希望を与えること等の良い影響が多いことは言うまでもないことである。実際、保育現場ではアニメや漫画が保育の教材や道具として利用されており、子どもの豊かな感受性を育む事に役立てられている。また、世界の最先端技術となっている日本のロボット工学の多くの研究者の目的は心優しいロボット「鉄腕アトム」の開発であり、子どもの頃に受けた影響は日本の将来を左右するといっても過言ではないのである。このように、アニメや漫画の影響は賛否両論であるが、どちらも未来を担う子ども達に関わることであり、社会全体で考える事が必要なのである。そこで、本研究ではアニメや漫画が人々に、特に子ども達に与える影響について詳しく解説していくことにする。

  10. 吉本 , 谷上 , 又江原 ; 世界で活躍する若者
    概要:スポーツの祭典オリンピックと戦争には深い繋がりがあることはよく知られてことである。それは悲しい歴史と同時に戦争のない平和への願い、すなわち、戦場での戦いから生まれる「悲劇」ではなく、競技場での戦いから生まれる「感動」を世界中の人々が求めているに他ならない。現代の日本の若者の殆どは戦争を知らない世代であるが、世界では数多くの戦争が起り、その歴史を繰り返し続けていることは事実である。それゆえ、多くの人々は平和を求めるようにスポーツを求め、やがてスポーツは私達の生活に深く根付いたのである。このように多くの人々に親しまれているスポーツに目を向けると、近年急速にスポーツ界の幅広い年齢層の活躍が世間を賑わせている。そして、その中でも一際注目を集めているのが若者の活躍であり、私達はその活躍を誇らしく、希望溢れるものとして認識しているのではないだろうか。しかしながら、若者達が活躍している舞台は一見すると華々しく思えるが、活躍を伝える報道と同時に不祥事を伝える報道を数多く耳にすることも事実であり、若者の活躍の裏に表面化していない問題がどれ程存在して、また、彼らの活躍は社会にどのような影響をもたらしているのであろうか。そこで、本研究では若者の活躍が近年急速に注目されている背景、および、活躍する若者を取り巻く環境について、シニア世代の活躍も含めた様々な視点から詳しく述べていくことにする。

  11. 伊地知 , 稲益 , 四辻 ; 子どもの遊び
    概要:現在の日本は戦前と比較して人々の生活は暮らし易く、経済的にも豊かとなっている。その背景として、住宅の構造の変化や環境の変化等が挙げられているが、一方、これらを要因として子ども達の遊びの環境が大きく変化したことも忘れてはならない事である。例えば、人々の暮らしをより充実させる為に野山は削られ空き地にはコンクリートが敷かれ、結果、子どもの遊びも外遊びから室内遊びへと変化していった。そして、これらの社会環境の変化はメディアの活用や漫画・ゲームの普及が進む等の新たな文化を生み出して、現在、日本のメディアや漫画は幼少期からお年寄りまで幅広い世代で楽しめる物へと発展すると共に、世界からも注目を浴びる程の人気を集めている。しかしながら、暮らしが豊かに便利になった反面、その環境の変化に対応できずに人々の暮らしや身体に影響が出る等の新たな問題が派生しており、少子化や核家族化等の多くの問題と合間って、将来を担う子ども達絵の影響が懸念されるようになっている。そこで、本研究では子どもの遊びや環境の変化を取り上げ、それに伴う影響を詳しく考察していくことにする。


2009年度卒業論文タイトル (4人)

  1. 永石 ; 未曾有の大不況
    概要:百年に一度といわれる「未曾有の大不況」は、サブプライムローンがきっかけとなり全世界に多大な被害と影響を与えた。我が国においても、政治や経済をはじめとしてあらゆる方面で不況の影響が出ており、国民の生活に関しては“生きづらさ”が身近に感じられるようになっている。しかしながら、この不況の原因についてメディアを通して様々な報道が行われているが、国民はこの不況についてどれだけの理解をしているのであろうか。また、この不況は具体的にどのような被害をもたらしているのであろうか。そこで、本研究ではこの大不況の真実を突き詰め、現代を生きる人々の置かれている立場や現状、また、政府や地域による新たな動きについて、この大不況を様々な角度から考察して全貌を明らかにしていく。

  2. 山田 ; 産科医療補償制度
    概要:日本では、妊娠・出産にかかる費用には保険が適用されず、殆どが自己負担となる為、多くの妊産婦が高額な費用を負担する現状にある。このような経済的問題が.子化に拍車をかける一端となっていることから、近年、「産科医療補償制度」の公費負担がこれまでの約3倍に拡充された。.子化問題を考える上で経済的問題は大きな要因であるが、その他にはどのような要因があるのであろうか。現在、.子化問題は日本だけでなく、世界的に深刻な問題となっているが、例えば、フランスの出生率は年々上昇している等、積極的な家族支援政策の取り組みにより.子化対策に成功した事例もある。そこで、本研究では新興国・先進国の各国における産科医療補償制度体制を取り上げ、日本と比較することにより、.子化に歯止めをかける為に今後必要となる政策や支援の取り組みについて考察していくことにする。

  3. 金子 ; YAKYUと平和・戦争
    概要:現在、多くのスポーツが世界中で盛んに行われている。その中でも野球は母国のアメリカを中心にキューバやドミニカ共和国等のカリブ海周辺の諸国、韓国や台湾等の東アジア等、多くの国や地域で行われている。また、その中でも日本は世界の野球人口の半分を占めており、非常に人気のあるスポーツ「YAKYU」となっている。しかしながら、YAKYUは平和や戦争に深く関わりながら発展してきたことも忘れてはならない。更に、オリンピックは現在では平和の祭典として親しまれているが、戦争中は様々な位置づけにおいて利用されたことも忘れてならないことである。そこで、本研究では戦争中および戦後におけるYAKYUやオリンピックの位置づけ、また、これらが人々に与えた影響について明らかにすると同時に、これからのYAKYUやオリンピックがどうあるべきなのかについて考察していく。

  4. 雲山 ; 食育推進~食育は心まで育てる~
    概要:現代、食育という言葉を耳にすることが多くなった。平成17年7月15日、食育基本法が施行された。この法律の目的は、国民が生涯にわたって健全な心身を培い、豊かな人間性を育むことができるよう、食育を総合的かつ計画的に推進することにある。しかしながら、近年、日本では食生活の変化により生活習慣病などの病に繋がることが問題になっており、更に、食は体に影響を及ぼすだけではなく、心にまで影響を及ぼすことが分かってきた。一方、世界においても食育は注目を浴びており、様々な活動が行われ、それと同時に食料問題等、多くの食の問題を抱えている現状にある。そこで、本研究ではこのような背景の中で日本と世界の食の現状を明らかにしていくと同時に、どのような改善策が必要とされているかについて考察していく。

2008年度卒業論文タイトル (18人)

  1. 岸川 , 村山 ; 日本と中国の保育の違いから見える両国の文化について
    概要:現在多くの子どもが保育施設に通っている。日本の保育施設は教育を中心とした施設や保育を中心とした施設があり、それぞれ保育制度や子ども達の生活状況も異なっている。近年、働く親の実情に合わせて、この差異を是正する為に「幼保一元化」という両方の機能を活かした施設が誕生しており、日本の保育は徐々に進化してきている。一方、日本の隣国である中国の保育制度に注目すると、日本とは全く異なる保育が見えてくる。中国では急激な人口爆発への対策として「一人っ子政策」が行われているが、この政策の為に親が子どもに対して過保護になり過ぎていることが問題となっている。また、女子が生まれた場合には戸籍に入れないという「闇っ子」問題も出てきており、結果として男子の割合が女子に比べて高い現状となっている。このような社会問題がある中、中国の保育は日本と比べてどのような違いがあるのだろうか。そこで、本研究では政治体制や文化などを取り上げて両国を比較することにより、それぞれの国において受け継がれている「文化」について考察していく。

  2. 塩野 , 軸丸 ; 崩れかけているわれらの地球
    概要:世界各国では地球環境問題が深刻な問題となっている。我が国でも戦後の高度成長期において産業活動による大気汚染や水質汚濁等の公害の発生と共に、国土の乱開発による自然破壊が大きな問題となった。これらの問題への対応すべく、1967年に「公害対策基本法」や1972年に「自然環境保全法」等が制定され、監視体制の整備を始めとした施策の推進や公害防止への投資・技術開発等の努力により、これまで少しずつではあるが着実に成果を上げてきた。しかしながら、近年の飛躍的な産業の発達により、地球温暖化やオゾン層破壊および酸性雨等、地域レベルの公害問題から地球規模の環境問題が顕在化してきている。21世紀は「環境の世紀」と言われており、美しい自然を始とした豊かな環境を将来の世代に伝えていく為、地域温暖化対策を始めとした地球環境問題に積極的に取り組み、環境施策を総合的に推進することが今人類に求められている。地球環境問題は今や「理論上の問題」ではなく、「現実に起こっている問題」となっているのである。そこで、本研究では世界各国および国内での環境問題に対して、地球を守る為に今後必要となる取り組みおよび現状について考察していく。

  3. 佐々木 , 杉 , 吉田 ; 少年少女を取り巻く環境
    概要:戦後50年の間に日本は高度な技術革新により様々な進歩を遂げ、人々の生活は豊かに便利になってきた。また、高度成長期から成熟した国家へと進化する中、民主化の定着による男女平等の基本的な考え方の下、男女雇用機会均等法や男女共同参画社会基本法等、女性が社会進出できる機会が増えてきている。このような社会の変化に伴い、携帯電話やファションの多様化等、子ども達の生活にも様々な変化が見られるようになっている。人は周囲の環境により進化・変化するものであり、それは回避することはできないことである。その上で、現代の子ども達を取り巻く環境はどのように変化しているのであろうか。そこで、本研究では少年少女に変化をもたらしている環境や要因および関連事項について明らかにすると共に、様々な視点から今後必要となる対策について考察していく。

  4. 加藤 , 宮本 , 山下 ; 明治から昭和初期における保育と現代の保育
    概要:私たちが何気なく用いている「保育」というのは200年前のヨーロッパでの育児困難を機に誕生した。日本では家庭や地域の伝統的な子育てが展開されていたが、婦人の解放や戦争および高度経済成長といった社会変動と共に次第に国民的事業として「保育」が展開していった。日本で保育が拡がった背景は、核家族化による家庭環境の崩壊等を改善する為、文部科学省・厚生労働省を中心に多くの政策や保育実践が行われたことに由来する。その中で代表的な取り組みに幼保一元化と子育て支援が挙げられる。一方、世界に目を向けると「モンテッソーリ教育」といった日本でも取り入れられつつある保育の方針や「レッジョ・エミリア教育」というその国独自の保育も展開されている。このように保育は世界中で行われているものであるが、先進国特有の出生率の低下や日本特有の急激な高度成長等、様々な問題を抱えている日本において今求められている保育とはどのようなものであろうか。そこで、本研究では世界における教育のあり方や日本における保育の歴史を見つめることにより、日本の子育て支援や幼保一元化の現状と展望について考察していく。

  5. 古賀 , 平山 ; 教育と少年犯罪
    概要:近年、犯罪の深刻な脅威が社会の重大な関心事となり、市民が安心して暮らすことのできる安全な社会を如何にして取り戻すかが重要な課題となっている。このような社会問題への対策として各方面で幅広く検討が進められると共に様々な取り組みが行われているが、その中で特異な凶悪犯罪が発生する等、少年非行の動向は予断を許さない状況にある。今日、我が国では少子高齢化という人口構造の急激な変化の下、世帯人員の減少・離婚率の上昇・インターネットの普及・労働の多様化及び流動化等、少年を取り巻く環境が大きく変動し、社会自体の有する犯罪抑止機能が多くの点で低下している現状にある。その結果、かつての「平穏な時代」から現在の「犯罪多発社会」へとわずか30年間で大きく社会が変化し、非行抑止機能として働いていた我が国固有の社会的・文化的特質は変容され、青少年の社会的な自立の遅れ等の新たな問題が生じはじめている。そこで、本研究では我が国の少年犯罪の動向と特質や少年を取り巻く環境等を分析した上で、特に「教育」に重点を置き、現在の教育現場における教育の果たすべき責任およびこれからの教育の在り方について考察していく。

  6. 嘉数 , 岸 ; 働く親と保育環境~待機児童の現状~
    概要:報道でも取り上げられているように、近年、保育に関する様々な問題が生じている。その中でも少子化は我が国でも深刻な問題として世間で認知されており、この問題は社会における大きな不安材料となっている。少子化の原因としては様々であるが、その一つとして女性の社会進出による夫婦共働き家庭が増加したこと等が挙げられる。これらの問題への対策として、核家族化の進行やバブル崩壊といった混乱期の最中、国や企業および地域でも保育に対する様々な取り組みが行われており、以前に比べて保育所の定員増加や産休制度の見直しなど保育への関心も高まってきている。このような状況下、少子化の悪化、更には待機児童という新たな問題が生じているのは何故であろうか。また、この問題は日本特有のものなのであろうか。そこで、本研究では少子化問題と待機児童の関連性に注目し、働く親を取り巻く環境や諸外国の保育への取り組みについて現状を明らかにしていく。

  7. 首藤 , 田代 ; 助産院と産婦人科院
    概要:妊婦は出産をするまでに保健師・助産師・看護師のサポートを受けている。しかし、出産に携わる保健師・助産師・看護師の現状は非常に厳しく、これは安心した出産が危機的状況に陥っていることを意味している。また、メディア等で報道されているように、日本各地において産婦人科医が不足している。原因は様々に考えられるが、その中でも最も大きい理由として考えられるのは訴訟リスクの高さである。代表的なものとして、民事事件の「横浜市堀病院事件」、刑事事件の「福島県立大野病院事件」が挙げられるが、これらの事件の背後にあるものを我々は理解しているであろうか。更に、ジェンダーフリーという考えから看護婦が看護師に、助産婦が助産師にと名称が変更された。私たちも日常生活の中で男性看護師を見かけることは少なくないが、男性助産師というのは今の日本でどのように考えられているのだろうか。そこで、本研究では上記について様々な立場の主張および実際に行われている施策等から、出産を取り巻く本質的な問題を明らかにしていく。

  8. 世利 , 田中 ; 育児における保護者のニーズと現代社会の実情について
    概要:子どもを持つ親の誰もが『我が子を自分の手で大切に育てたい』と思うであろう。しかし、現代では女性の社会進出を含めて共働きをする家庭が多く、子どもと一緒に過ごす時間や教育に費やす時間が減少し、保護者の力だけでは育児に専念出来ない状況となっている。このような保護者の実態に応える為、幼稚園・保育所・企業託児所等の様々な保育施設および産休・育児休業制度等の育児サービスが提供・活用され、加えて、最近は幼保一元化の動きが強まり、認定子ども園等の新しい施設も誕生することにより、保護者は多くの人々の援助によって育児と仕事を両立できる環境が整いはじめていると考えられている。しかしながら、施設利用条件や待機児童等、日本の保育には多くの問題が残っており、保護者の本当のニーズには応えられていないのが現状なのである。そこで、本研究では日本のみ成らず諸外国の保育の現状にも目を向け、制度やサービスの違いを捉えることにより、日本の保育施設や企業の育児サービスの現状を見つめ直しながら、現代を生きる保護者のニーズと実情について考察していく。



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