Features01
SDGs DIALOGUE
高校生×大学生
SDGs DIALOGUE

Features01

興味のあることを
自由な発想で実行する。
中村学園から社会へ広がる
SDGsの動き。

「SDGs」と言うと、実際に行動するのが難しいことのように聞こえます。でもそんなことはないのです。興味があること、やれることを身近なことから見つけてやってみる、それがSDGsには大切です。中村学園では、学生が自由な発想で興味のあることからSDGsを始めています。それは校内にとどまらず、社会へ向けた動きへと広がりを見せています。高校生、大学生の取り組みについて、久保千春学長と一緒に意見交換しました。

中村学園女子高等学校
亀田 恵 さん
中村学園大学
栄養科学部フード・マネジメント学科
准教授眞次 一満
中村学園大学
中村学園大学短期大学部
学長久保 千春
中村三陽中学校・高等学校
養護教員川上 成子

イノシシ肉を使ったジビエカレーを開発、販売
鳥獣被害解決のためジビエを広げたい

地元の放送局からお話をいただき、テレビ番組とコラボレーションしてジビエカレーの開発と販売に参加しました。地元の猟師の方の「ジビエ離れが心配。次世代に食べてもらってもっと流通させたい」という声を聞き、有害鳥獣被害の解決のためにジビエが必要なんだと知りました。自分たちで話し合ってイノシシ肉を使ったカレーのレシピを作り、さらにイベントでジビエカレーを販売したことは大きな経験です。野生動物を使ったジビエは「おいしくない」とか「独特な匂いがする」というイメージを持たれがちですが、カレーを食べた方からは「おいしい」という声をたくさんいただきました。ジビエは鳥獣被害防止だけでなく、廃棄物を減らすことにもつながります。ジビエカレーをレトルトにして販売するという案も出ています。これからもジビエ料理をたくさんの人に知ってもらうための方法を考えていきたいです。

現在、深刻な社会問題になっている有害鳥獣被害の解消のため、ジビエという点に注目したのは環境保護の観点からも大変良い視点だと思います。メニューを考案し、消費者へ直接販売することで新たな気づきもあったことでしょう。中村学園大にとって「食」は取り組むべき大きなテーマです。SDGsと食は切っても切り離せません。これからも問題意識を持って、どんどん世界を広げていってください。

仲間と自主的に取り組む環境活動
14年前、一人の生徒の行動をきっかけに

中村学園三陽中学、高等学校では「SDGs」という言葉が生まれる前から環境活動を中心に様々な社会活動に貢献してきました。14年前、一人の生徒が牛乳パック回収を始めたのをきっかけに、やがて全校生徒へと広がり様々な活動が続いています。公民館などでの小学生への環境授業、樋井川の定期清掃活動や東日本大震災、九州北部豪雨の被災地復興支援などにも取り組み、これまで「福岡市環境行動賞最優秀賞」など様々な賞をいただきました。環境活動は授業や部活動など定められた組織での活動ではなく、希望者が参加して行っています。一人では活動できなくても、みんなでやれば楽しく続けられます。今では福岡市西区の環境フェスタのボランティアなど、いろいろなところから声をかけていただくようになりました。校外の方と触れ合う機会も多く、活動で自信をつけ著しく成長する生徒もいます。今後も生徒がその可能性を発揮できるような環境を作り見守っていきたいと思っています。

一人の生徒からスタートした環境活動が学園に根付き継続されていることは大変素晴らしいことです。三陽中学、高校ではペットボトルキャップや割りばし、空き缶の回収などに積極的に取り組んでおり、そこには世界の子供たちへのワクチン供給など社会に役立てようという精神があります。地域社会への貢献も重要なことです。人のため、社会のために取り組むことは必ず自分自身にとっても大きな糧になるでしょう。

「唐津Qサバ」でご当地バーガー開発
学生主導の「持続可能な地域貢献」

「唐津Qサババーガー」は2021年、唐津市水産業活性化支援センターにインターンシップに行った学生2人が、地元で完全養殖されている「唐津Qサバ」と人気の「からつバーガー」を組み合わせて開発したものです。「からつバーガー」さんのご協力もあり、販売したところ大変盛況でした。しかし、話はここでは終わりません。ゼミの後輩が「唐津Qサババーガー」プロジェクトを引き継ぎ、2022年は長崎県松浦市で開催された「鯖サミット」で出店。試行錯誤の末に商品を完成させ価格設定、食材調達などすべて学生が行い300個を完売したのです。このプロジェクトは次年度も引き継がれ「唐津マリンセンターおさかな村」での第3弾販売の構想があります。2人の学生から始まり代々受け継がれ広がっていく「唐津Qサババーガー」。これからも「唐津Qサバ」のブランド戦略や販路拡大に学生の力を生かせたらと考えています。

学生の情熱が感じられるプロジェクトです。「唐津Qサバ」の研究は九州大学が連携しており、企画や販売は中村学園大学が連携するというストーリーも産学官連携の象徴のような取り組みだと思います。1年だけで終わるのではなく、最初の年の学年から下の学年の学生へと引き継がれていくという点においては、まさにサステナブル(持続可能)な取り組みと言えるでしょう。