中村学園の各校では、SDGsに関するさまざまな取り組みが実践されています。在籍する学生・生徒・園児・教職員の個人個人が思いを持ち、取り組むことが、社会貢献・地域貢献へとつながり、SDGsが掲げる世界中のあらゆる地域の問題解決への一歩につながります。Nakamura’sが実践する取り組みと、その思いをご紹介します。
#01
SYOJI MAHO
東海林 真帆さん
中村学園大学 栄養科学部 栄養科学科
#02
KANA KOMIYA
小宮 花菜さん
中村学園大学 教育学部児童幼児教育学部
#03
AKANE UENO
上野 紅音さん
中村学園大学短期大学部 キャリア開発学科
#04
NAMI ANJYU
安住 七海さん
中村学園女子中学校
#05
YUYA KAWAKAMI
川上 悠哉さん
中村学園三陽高等学校
#06
HIROMI NIBUN
二分 裕美さん
中村学園大学付属壱岐幼稚園 教諭
東海林 真帆
中村学園大学 栄養科学部 栄養科学科 大分県立大分西高等学校出身
栄養科学科では、毎年「小児糖尿病サマーキャンプ」に学生がボランティアとして参加し、小児糖尿病の子どもたちの食事作りのため、事前に献立や資料を準備し、キャンプ中は大量調理を行う栄養管理スタッフとして活躍しています。コロナ渦で実施できない期間がありましたが、2023年から再開し、参加することができました。 まず準備期間中は、その日のエネルギー消費量などを考慮しながら、栄養バランスがよく、おいしい献立を考えます。係に分かれて、備品を準備したり、調味料や食材を発注したりもしました。 キャンプ中は、朝5時に起き、朝食、昼食、お昼の間食、夕食、夜の間食の5食を作って、片付けてを繰り返す1日でした。食べる人数は100人を超えるため、大量調理になります。少ない人数で、衛生に調理できているかや、より効率の良い調理の順番などを常に考えながら動く必要があります。私はこれが最も難しかったですが、学ぶことが多く、成長することができたと思います。
この活動を通して、SDGs17項目のうちの「3すべての人に健康と福祉を」については少し学びを感じています。私はこのキャンプに参加する前までは、糖尿病をの方には食事制限があると思っていました。ですが、実際は食事制限はなく、栄養バランスの整った食事や食べる時間が大切であると学びました。そこで改めて、すべての人に健康的な食事は必要で、その食事を食べることのできる環境や機会の必要性を強く感じました。
小宮 花菜
中村学園大学 教育学部児童幼児教育学部 福岡県立城南高等学校出身
「全ての子どもに教育を届けること」を目的に、2024年2月にカンボジアの4つの小学校を訪問し、約1年かけて準備してきた副教科(今回は書道と体育)の授業を子どもたちと一緒に行いました。同時に、私たちが帰国した後も永続的に活動できるよう、現地の先生方には指導案を提案してきました。授業に必要な備品は、街頭募金や寄付によって集められたものです。また、2020年より他大学と協働で進めてきた、日本の公民館のような場所「希望館」の設立プロジェクトも完成を迎えました。 現地に行った私たちだけでなく、多くの方の支援や協力が子どもたちの笑顔につながっている活動です。 ※希望館設立プロジェクトは、本学の令和5年度「SDGs活動奨励金制度」に採択されました。 【関連記事】 ・教育学部「本学の卒業生がチョンカル郡教育事務所(カンボジア)から表彰を受けました」 ・「SDGs活動奨励金制度が新設されました」
カンボジアの公用語は「クメール語」ですが、現地にはクメール語を学んでいない子どももいます。次回は、その子どもたちとも交流できるようにコミュニケーションの手法を見直し、寄り添った支援のあり方を探っていきたいです。私自身、子どもたちとの触れ合いを通じて、想像以上に大きな心の財産を得ました。もう一度現地に赴きたいですし、日本、海外の教育現場で自分に何ができるのかについても、もっと考えていきたいと思っています。
上野 紅音
中村学園大学短期大学部 キャリア開発学科 鹿児島県立志布志高等学校出身
キャリア開発学科では、学内向けに「フードロス削減商品」(賞味期限が近い等の理由により店頭で販売されない商品)を特価で販売するフードロス削減商品販売ショップ『CYCLE DISH』を学生が運営しています。 私は、企業にショップで販売する商品の協賛を依頼する「協賛チーム」として活動しました。フードロス削減対策に力を入れている企業を調べたり、学生向けの商品を検討し、依頼企業への訪問活動をしています。私たちの活動の主旨を簡潔にまとめ、協賛をお願いする意図が伝わるよう、心がけています。 その他にも、農家の方から規格外の野菜を提供してもらい、販売活動を行いました。学園祭ではキウイとサツマイモを提供していただき販売したところ、大変好評でした。
企業への訪問活動のなかで、多くの企業がフードロス削減のための企業努力をしていることを初めて知りました。ふだんは商品名と企業名しか知る機会がないのですが、なるべく廃棄を出さない商品開発をされていたり、地域の子どもたちに食育イベントを行っていたり、各企業の様々な取り組みが行われていることに驚きました。自分自身も「食」について、ただ消費するだけでなく、フードロス削減の視点で考えていきたいと思います。
安住 七海
中学1年生の行事で「漁業体験」を行い、SDGsの17項目の目標のうち「海の豊かさを守ろう」に注目し、海の環境問題や水の大切さについて考えました。さらに、地元福岡県でSDGsに力を入れている企業について調べ、シャボン玉石けん株式会社の取り組みに着目しました。環境にやさしい製品を生み出す工程を学習するために、実際にシャボン玉石けんの工場見学に行きました。1年を通して学んだことを何か形に残したいと考え、水仙祭(文化祭)でシャボン玉石けん株式会社とコラボ企画を行うことになりました。「ずっときれいなミライのために」をキャッチコピーに、オリジナルラベルを作成しました。
オリジナルラベルには、身近にいる生き物から深海にいる生き物まで、様々な海の生物を描いています。私たちが伝えたい「ずっときれいなミライのために」というメッセージは、環境だけでなく、海の生物を守りたい、という意味が込められています。ラベルの色はパステルカラーを使用し優しい印象にしました。このオリジナルラベルの石けんを使用することで、少しでも海の環境のことや地球全体のサステナブルについて考えるきっかけになれば、と思います。 また、シャボン玉石けんは使用した後、排水として石けんが流れたとしても石けんのカスは微生物や魚の栄養源となります。環境にも健康にもやさしく、安心して使用することができます。 この活動を通して、環境問題や地球温暖化に興味を持ちました。私は温室効果ガス削減のために、バスや車の移動を控え、自転車や徒歩の移動を心がけています。また水は出しっぱなしにしないなど、自分の出来ることからSDGsに取り組んでいきたいと考えています。
川上 悠哉
中村学園三陽高等学校 中村学園三陽中学校出身
三陽中・高等学校では、「中学生徒会」「高校生徒会(保健委員会)」「インターアクト部」の3団体を中心に、食堂で出た生ごみをコンポストで堆肥化する「食育フードサイクリング」に取り組んでいます。 三陽中学生徒会に所属していた当時、生徒会としての活動目標を探していたこと、校内で行われた説明会に参加し、環境活動に興味を持ち、環境問題について少しでも貢献したいと思ったことから、中学生徒会の仲間たちと活動に参加することを決めました。
活動を始めて、学校の食堂から毎日3kg近い生ゴミが出ていることをはじめて知りました。一カ月だと約60kg。目に見えてごみの量が減っていくと、「できるだけ食事を残さないように」と、ごみに対する意識が高まっていきました。 活動をはじめたばかりの頃は、地道な作業や、匂いや虫などに、億劫な気持ちになることもありましたけど、今では仲間や先生たちとコミュニケーションの機会として楽しみながら行っています。 SDGsには、個人レベルでは難しい目標がありますが、日々の生活のなかで実践できることがあれば、取り入れて伝えていくことが大切だと考えています。これからも身近なことから取り組んでいきたいと考えています。
二分 裕美
中村学園大学付属壱岐幼稚園 教諭 中村学園大学 家政学部 児童学科(現教育学部)卒業
壱岐幼稚園は、自然豊かな広い園庭があります。四季折々の草花と共に、雑草も元気いっぱいメキメキ伸びます。2015年度の裏庭の改装をきっかけに、園庭整備の中で出た雑草や落ち葉の収集場所を決め、園庭の一角に集めてシートを掛けるようにしました。始めは、抜いた雑草を集める場所という意識でしたが、時間の経過とともに、抜いた草が立派な腐葉土になり、たくさんできました。 葉っぱが土に変化する、自然の不思議さを子ども達と身近でじっくり観察できる場所です。虫取りが大好きな子達は、葉に集まる虫を捕まえることのできる場所です。壱岐幼稚園ならではの、様々な自然を感じることができる遊び場だと思っています。 また、できた腐葉土を使って栽培を楽しむことができ、身近な所で自然がサイクルしていることを体感できていると思います。
子ども達は始め、草を踏んで遊んだり、草に集まる虫を探したりして遊び、腐葉土を作っているという意識はあまりありませんでした。しかし、シートの下の山もりの草が、踏みながら遊んでいるうちに段々小さくなり、シートをめくると下の方が土になっていることに気付くと不思議そうに見たり触ったりしています。 できた腐葉土を使って、年長児は田植え用の土に利用します。土に水を入れ足で踏み、泥になった腐葉土を体で感じる経験をします。また、年中・年少児は裏庭にある畑の土として使用し、栽培を楽しんでいます。