中村学園大学・中村学園大学短期大学部

本学の卒業生がチョンカル郡教育事務所(カンボジア)から表彰を受けました

2024年4月3日

2024年3月、本学と、教育学部の卒業生である春田和紀子さん(2024年3月卒業)が、カンボジア北部のチョンカル村に、学びの場「希望館」を建設したことについて、チョンカル郡教育事務所から表彰を受けました。春田さんは、在学中にカンボジアへ継続的に教育支援を行う「国際協力学生ボランティアズSPLEA(スプリ)」の全大学団長、また本学の国際教育協力ボランティアサークル「NICVs」代表を務めていました。

中村学園大学を含む10大学の学生たちが主体的に提携して活動するSPLEAは、2012年から「すべての子どもたちに行き届いた教育を」をモットーに、貧困撲滅を目指してカンボジア等へ継続的な支援活動を続けています。

カンボジアの子どもたちの多くは、貧困や地域に学校がないなどの理由から学校で教育を受けられない環境にあります。
春田さんは、2020年より日本の公民館のような場所の設立を目指して希望館建設のプロジェクトを進めてきました。建設費用の約260万円は、各10大学のメンバーがクラウドファンディングや街頭募金活動等で募りました。
建物の設計は、他大学で建築を学ぶ学生が原案をつくるなど、全国の学生約90名がそれぞれのスキルや経験を発揮します。春田さんは、団体の運営に携わる先生方のサポートも受けながら、団長として全体を統括。「熱意を持った仲間のおかげでプロジェクトを成功させることができた。これまで10年にわたり現地で信頼を積み重ねてきた先輩方の功績も大きい」と今回の活動を振り返ります。

春田さんのカンボジアへの支援活動に携わるきっかけとなったのは、教育学部 中島憲子准教授との出会いだったそうです。中島准教授は、学生たちのカンボジアでの教育支援を指導され、現地での体育を中心とした教育制度の確立の支援に注力されています。

春田さんは「中島先生からカンボジアでの活動を聞いて『私にも何かできることをやってみたい!』という気持ちがわいてきた。」と話します。はじめはコロナ禍で海外での活動が思うようにいかず、閉塞感のある状況でしたが、約3年の年月をかけて2023年12月にチョンカル村に希望館が完成。2024年2月、地域住民を対象に完成披露会が行われました。

「希望館をみて、子どもたちが走り回って喜ぶ姿が忘れられない」と話す春田さん。
今後は、この「希望館」がチョンカル村にとって学びの場となるように、文房具のほか絵本、ボール、楽器等の勉強道具、そして学ぶ機会を充実させる予定です。また、現地では「教育の重要性」を伝えていきたいと話します。それには「20年くらいかかるかも」と話す春田さんですが、ナカムラで出会った恩師と仲間とともに、大きな目標をもって今後もカンボジアへの支援を継続していく予定です。

※希望館建設プロジェクトは、本学の2023年度SDGs活動奨励金制度に採択されています。