中村学園大学・中村学園大学短期大学部

大学院教育学研究科

特別研究担当教員一覧(2022年度)

担当教員 テーマ
教育学系 圓入 智仁

2つの研究テーマを設定する。第1に、幼児期の子どもの理解に関する研究である。教育学、心理学、保育学、社会学、福祉学など様々な学問の知見を踏まえ、学際的に幼児を理解するための研究に取り組むことで、幼児教育や保育の実践の場における課題を的確に把握する力を養う。第2に、国内外における子どもの社会教育に関する歴史的あるいは実証的な研究である。習い事やスポーツ、野外体験など、子どもの社会教育の内容、施策、制度、指導者や参加する子どもの実態、さらには、政治的あるいは社会的な背景などを具体的に解明する。この中には、子どもの教育と福祉を架橋する教育福祉論も含めたい。

山本 朋弘

本特別研究は、教育工学及び情報教育に関する研究領域を扱う。教育の情報化を中心に、ICTを活用した授業のデザインを取り上げ、個別最適な学びや協働的な学びを支援するICT活用の在り方を探る。また、児童生徒の情報活用能力の育成をめざすプログラミング教育やコンピュータ・サイエンス教育を追究する。さらに、教員や大学生のICT活用指導力を育成する授業研究や教員研修に関する研究を行う。学校間の交流学習や学校と家庭をつなぐオンライン学習等の遠隔教育についても取り組む。

保育・教科教育系 石田 靖弘

テーマは、理科授業の改善である。
学校現場での修士をもつ教員への期待、特に教科教育に対する期待は、授業実践を行い、その実践の中に教科の本質や教材の本質といった点から課題を見いだし、追究し、絶えず授業改善を行っていく文化を教員間に広めていくことである。そのため、本特別研究においては、学生の皆さんが、理科教育の課題を追究するにあたっての理論的基盤を整理するとともに、授業観察や研究会への積極的参加を通して、授業を深く考察することができるようにする。

中島 憲子

社会の中の文化である”スポーツ“や”体育“、”遊び“は、人生を豊かに生きる上で人々に何らかの貢献をしている。保育者や教師は、就学前や義務教育の期間にそれらの素材を子どもたちに提供し、豊かな文化活動を実践・蓄積しながら成長・発達に寄与する。つまり提供する側は、提供する意味や価値を認知したうえで、目指す発達課題や生活課題に寄り添っていかなければならない。そこで本特別研究ではスポーツ教育学の立場から、以上のような視点をもとに現状と実態を捉え直し、自身の教育観を構築していく研究を行う。加えて、途上国における国際教育支援活動を通した教育の役割についての研究も含める。

那須 信樹

本特別研究では、保育をめぐる社会的課題や実践現場における諸課題、及びその背景等について明らかにしつつ、もって保育職の養成・育成並びに保育の質向上に寄与することを目的とした実証的・開発的な研究に取り組む。主なアプローチの観点としては、以下の通りである。
 ①保育職のキャリア形成と体系的な研修システムの開発
 ② 保育実践の場におけるマネジメント

平田 繁

本特別研究では、小学校道徳科の実践に焦点をあてる。
今日、いじめや暴力、不登校、教職員の若年化・多忙化等、学校現場に関わる課題は山積している。子供のスマホ所有率も年々上がり、更なる教育問題が発生する可能性がある。そのような中、道徳の時間が「道徳科」として教科化され、副読本から教科書を教材とした学習指導が実施されるようになった。道徳教育は、全教育活動を通して行われているが、要は「道徳科」である。そこで、今日的課題から道徳科の指導内容を決め、発達段階の系統、他教科との関連、教材分析をしながら実践の方途を構想していきたい。

古相 正美

本特別研究は、小学校では国語科、幼稚園・保育所では保育内容言葉・児童文化の内容がその中心となる。
教諭・保育者としての基礎を既に確立した学生が、マクロ・ミクロの両視点から教育・保育を見直すのが目的である。
研究テーマは学生が自分自身で発見していくことになる。具体的な研究内容としては、子どもの言葉(獲得から発達)と子どもへの言葉掛け、絵本・紙芝居やシアター類・児童文学・国語科教育等である。そうした研究を深めることによって、日本語を中心とする保育・教育技術の高度化を図ることになる。

教育臨床系 笠原 正洋

育児不安や虐待(家族内暴力)等に関して、保育者(保育所保育士・幼稚園教諭・保育教諭等)は、子供だけでなく保護者に対する支援(家庭支援、保育相談支援)を行っている。しかし、このような領域には、虐待被害を受けた子供へのアプローチ、保護者に対する支援、園組織内・専門職間の連携、保育者の専門性発達の問題等、様々な問題がある。本特別研究では、発達臨床心理学の立場から、このような領域に関わる問題の解決を目指した実証的研究を行う。

中野 裕史

運動刺激は神経細胞の成長・修復および神経新生を促進し、それには成長因子と呼ばれるIGF-IやBDNFなどの物質が関与することが明らかとなりつつある。本特別研究では運動による認知機能とパフォーマンスの変化とそのメカニズムについてヒトと動物における研究を行う。

野上 俊一

本特別研究では,人間を環境の中で学び続けて賢くなる存在とみなし、自己調整の中心機能としての「メタ認知」,他者と協力して知を構成する「協同学習」,学びを追究していくエンジンとしての「知的好奇心」のいずれかについて,心理学的アプローチ(認知,発達,社会,パーソナリティ)によって研究する。「人間の賢さ」に関する新たな発見を目標とし,研究対象とする現象についての理論的な問いや実践的な問いに対して実証的に答えを導く。

益田 仁

子どもの育ちから、そして子どもを育てるという営みから「ゆとり」が消えつつある。グローバル化やリスク社会化、仕事や生活の徹底的な合理化・効率化は、人類が歴史的に形成してきた社会集団(家族や地域コミュニティ)の変質をもたらしながら、時として人びとを孤立させ、経済的・時間的・精神的なゆとりを奪いながら、保育・教育・子育て支援の場において様々な「問題」を生じさせている。本特別研究ではこうした問題に対して、特に家族・地域・福祉的サービスの視点から検討し、解決策を探ることを目指す。

吉川 昌子

本特別研究では、保育・教育の場で発達につまずきのみられる子どもや、社会適応を課題とする青年期の支援に関して、主に以下のテーマで調査または実践的手法による研究を行う。
 1.保育・教育の場で特別な配慮・支援を必要とする子どもの心理的アセスメント
 2.保護者との連携・協働および支援
 3.就学・進学・就労における移行支援
 4.社会的コミュニケーションを苦手とする思春期・青年期のグループアプローチ
 5.心理支援としての動作法の活用