概要
本研究科は、修士課程で1学年の定員10名、収容定員は20名となっています。修士課程の修業年限は2年で、授業の単位取得と修士論文の審査合格により修了し、修了者には「修士(流通科学)」が授与されます。ただし、流通科学研究科の修士課程の目的に応じて適当と認められるときには、特定の課題についての研究の成果の審査をもって修士論文の審査に代えることができることとなっています。
流通科学研究科の修士課程は、研究指導を中心としながらも、大学院修士課程に対する社会的要請ならびに専門家育成に対する流通分野の産業界からの要望に応えて、次代を担う流通科学のプロフェッショナルを育成することを目標としています。その教育課程は、基礎となる学部である本学「流通科学部」の教育研究分野と連動させ、研究指導と流通専門職を育成することを基本方針として編成しています。
このため、流通科学部のカリキュラムと関連させ、流通マーケティング系と流通マネジメント系の2つの系に分け、それぞれ専門科目を配置しています。カリキュラムは、流通科学研究科を修了した修士にふさわしい幅広い専門的知識の修得と修士論文作成のために必要な知識・技能の修得を目的として、各系共通の基礎科目および系の専門科目より構成されています。専門科目の中には、修士論文の研究のための特別演習とインターンシップのための特別実習が含まれます。
特徴
1.流通ビジネスのリーダーを育てる2つの系
- 流通
マーケティング系 - 流通産業を構造的に解析する理論と技法、マーケティング業務をシステム化しマネジメントする手法を取得し、流通のプロフェッショナルを育成
- 流通
マネジメント系 - 人的資源管理とファイナンシャルマネジメントを重視しつつ、経営戦略の理論と実践方法を研究し、国際的経営戦略の理論と実践方法を修得
2.取得できる学位・免許・資格
>> 取得できる学位
- 修士(流通科学)
>> 取得を目指せる免許・資格
- 税理士
- リテールマーケティング(販売士)1級
- 中小企業診断士 他
3.流通分野の第一線で活躍する講師による、専門性の高いセミナーを実施
流通科学研究科セミナー
当セミナーでは、流通分野の専門性を学ぶために、流通分野の第一線で活躍する講師を招聘し、時代を担う流通科学のプロフェッショナルの講義を受講する機会が設けられています。
年度 | 講演テーマ | 講師 |
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2020年度 | コロナ禍による流通の影響と対応 (流通科学研究所 共催) |
福岡大同青果株式会社 専務取締役 手嶋雄二氏 ㈱ハローディホールディングス 執行役員管理開発統括部長 徳留基雅氏 ロイヤルホスト株式会社 代表取締役社長 佐々木徳久氏 エフコープ生活協同組合 代表理事 理事長 堤新吾氏 |
2019年度 | 普及論 ~新製品、新サービスはどのように普及するのか~ |
立命館大学OIC総合研究機構プロジェクト研究員 三藤利雄氏 |
2018年度 | B to B企業のマーケティング課題と展望 ~顧客関係を強化する~ |
慶応義塾大学 大学院経営管理研究科 教授 余田 拓郎 氏 |
2017年度 | 地域ブランド戦略 ~地域資源を活用した魅力づくり~ |
株式会社ブランド総合研究所 代表取締役社長 田中 章雄 氏 |
4.各自の研究テーマに基づいた特別研究
特別研究
「特別実習」では、各自が設定した研究テーマに基づき、社会での企業実習や実地経験(アンケート・調査等)を行い、学習した知識と実地経験を結び付け、より高度な専門知識と技術を習得します。
特別研究の一例(2020年度)
特別実習テーマ | DMO(観光地域づくり法人)の地域における役割に関する調査 |
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実習内容 | 福岡県糸島市の一般社団法人糸島市観光協会の事務局長および糸島市内において旅行会社を経営なさっている協会の副会長にインタビュー調査を実施した。主な質問項目は以下である。 ・グリーン・ツーリズムの浸透が限定的である理由について ・政府のこれまでのグリーン・ツーリズムの政策について ・グリーン・ツーリズムにDMOが関わることについて ・宿泊型グリーン・ツーリズムが進展しない理由について ・農観連携について |
今後の課題 | インタビュー調査により、修士論文の考察に多くの示唆を頂いた。グリーン・ツーリズムの進展に関し、農家や漁家が観光の視点を持つことは極めて困難である。地域資源をプログラム化し、プランを造成するには専門家、すなわちDMOなど専門家のサポートが必要である。また、観光スポットはある程度、集積することで魅力を強めることができる。地域内の連携や外部への情報発信にもDMOのノウハウが必要であると考えられる。 これらの考察を修士論文に生かしたい。 |
修士論文テーマ | 日本における宿泊型グリーン・ツーリズムの可能性に関する考察 |