学校法人中村学園

ごあいさつGREETING

幼い頃から母親の代わりに家事をこなして10代で教員となり、30代で料理研究を志し、60代で食と栄養を学ぶ学校を設立、80代で亡くなるまで生涯現役を貫いた。

このエピソードは、今でいう女性の活躍や人生100年時代、SDGsなどの観点に通じるものがあります。しかし、これは明治生まれの学園祖中村ハル先生の生涯であり、その人生は没後半世紀以上が経った今でも、我々にとって多くの示唆を与えてくれています。現在の中村学園各校におけるコンポスト事業や大学短期大学部の食のスペシャリストの卒業生の活躍、生涯学び続けるリカレント教育事業など、ハル先生の心は形を変えながら今も脈々と受け継がれています。

明治から昭和を生きた創立者は、料理研究のために横浜で教鞭を執っていた際に関東大震災で九死に一生を得たり、戦禍で食料を始めとした物資が枯渇する中で創意工夫によって学校教育を継続したりと、現在の我々よりもはるかに予測が困難で不確実な時代を生き抜いた人生でした。地球規模での自然災害の多発化や国際情勢の緊迫化など、VUCAの時代に本学が掲げる人間教育の重要性はますます高まっています。

おかげさまで中村学園は、この人間教育に対するみなさまのご理解とご支援により、長い歴史を歩ませていただき、その支えに対して感謝の念に堪えません。これからも地域社会と共に、より健やかな世界を育むために中村学園の人間教育に邁進していきます。

学校法人中村学園 理事長中村紘右