食物栄養学科 特別講演会を開催しました~阿部 志麿子教授、三堂 德孝教授~
食物栄養学科では、2023年3月をもって阿部 志麿子教授、三堂 德孝教授が退職されます。長きにわたって本学の学生指導、栄養士養成に尽力されたお二人へ感謝をこめて、1月27日、学科主催の特別講演会を開催しました。
当日は久保 千春学長、教職員と食物栄養学科の1、2年が出席し、阿部 志麿子教授、三堂 德孝教授による講演が行われました。
三堂教授は、2011年栄養科学部に着任、2015年から食物栄養学科にて、主に調理学実習をご担当されています。
三堂教授が一貫して学生たちに伝えてきたのは「本物の味を知ってほしい」という思いです。この日は、フランス語で「完成された」という意味の「Consommé(コンソメ)」と題して講演されました。
高校時代の恩師から、本学に着任される前にお勤めになっていたホテルの当時の総料理長まで、三堂教授にとっての数々の素晴らしい出会いについて触れ、感謝の言葉を述べられました。
「出会いのなかで、人生が決まっていく。チャンスを得られるように、慌てず、あせらず、そのときがくるまであきらめずに準備をしてほしい」とお話されました。
講演では、コンソメを、パイの包み焼きにし、応用編としてコンソメ・プランタニエ(春野菜入りコンソメ)、キノコのコンソメ カプチーノ仕立て、ウニ風味の冷製コンソメの調理の実演もしてくださいました。
三堂教授のコンソメを試食した学生たちは「本当に美味しい!」と感動していました。
学生からの「新しいことに挑戦するとき、どんなことを大切にされてきましたか」という質問に、三堂教授は「基本を大切にすること」と答えられ、「しっかりと基本を身に付けていれば、応用として、新しいアイディアを考えることができる」とアドバイスされました。講演の最後に「どんな挑戦も健康であればこそ。健康のために日々の食事を大切にしてほしい」と話されました。
阿部教授は1990年家政学部食物栄養学科着任、1999年中村学園大学短期大学部食物栄養科(現食物栄養学科)へ異動され、「栄養・生化学実験」「基礎栄養学」「応用栄養学」といった主に化学を基本とする分野で講義・実験をご担当されています。
講演では、「栄養士を目指す皆さんへ ~振り返って思うこと」と題し、阿部教授がみつめてこられた約30年間の中村学園大学の移り変わり、ご自身の研究の軌跡、セミナーでの学生たちの学びや思い出についてお話いただきました。
阿部教授のアメリカバージニア州立大学医学部での研究や海外生活についても触れられ、学生たちには「若い皆さんには、海外での生活をぜひ経験してほしい。日本の良さを再認識できる」と話されました。
就職活動を控えた学生へのアドバイスとして、「栄養士として、そして人間として、自分で考える力が大切。まずは5年後の自分の姿を見据えて行動してほしい」と話されました。講演の最後に、ご自身のモットーでもある「常に前向きでいること」について話され、「困難なことがあっても、そこから学びを得ることがある。何事も前向きにとらえて頑張ってください」と学生たちへ激励の言葉をおくられました。
講演会は終始、あたたかい雰囲気に包まれ、阿部教授、三堂教授の講義を受ける学生たちの目が尊敬と感謝に満ちていたのが、とても印象的でした。
講義終了後、学生たちから、感謝の言葉とともに花束と記念品が贈られました。