中村学園大学・中村学園大学短期大学部

財務省福岡財務支局上席調査官 永松裕美様による 『高校家庭科に新設された「資産形成」に係わる内容の講演』が行われました

2023年5月26日

5月11日、栄養科学科3年生で中・高家庭科教員免許の取得を目指す学生を対象にした科目「家庭経営学」の授業で、福岡財務支局上席調査官の永松裕美様をお迎えし、「ライフプランに応じた資産形成」をテーマに講演をしていただきました。

令和4年度から、高等学校では新しい学習指導要領による教育課程がスタートしています。令和4年4月から成年年齢が18歳に引き下げられたことを受け、消費生活に関わる内容の一層の充実が求められ、中でも家計管理については、貯蓄、保険、株式に加え、債券、投資信託等の金融商品、資産形成の視点にも触れるように示されたのです。

学生は中・高家庭科教員を目指すものの、小・中・高の学校教育の中で資産形成を学んだことが一切なく、教えることに大きな不安感を抱いていますので、今回、金融の専門家を講師として招聘し、高校「家庭基礎」の授業イメージのもとで講演を進めていただくようにしました。
 

今次改訂のポイントとなる「生涯の生活設計」の視点を重視するために、講演の導入で「ライフプランニング-働いて「稼ぐ」ことと、将来に備えること-」に触れていただいたことから、学生は「生涯にかかるお金っていくら?」「人生で得られる収入の総額はえぇっと?」「人生全体で、支出<収入にするには?」など、次々に繰り出される問いかけに対して、頭を悩ませながら取り組んでいました。

講演を聞きながら、本気モードで考えていったことで、当事者意識をもって取り組む授業の重要性に改めて気付く機会ともなったようです。講演の中では、金融庁の資産形成シミュレーターや資産運用シミュレーションを使って、投資を体験的に試みたり、新しい知識を学んだと思った、次の瞬間、その知識を試しに使ってみるよう促されたりするなど、金融に関する知識判断力を確かに身に付けられるストーリー仕立ての展開で、5限目の終わりを告げるチャイムが鳴っても、質問の手が次々と上がっていたほどです。

 
学生は教える立場を意識しながら受講したのですが、今まさに話題となっているつみたてNISAや株式投資に高い関心を抱く若者であったことが、質問の内容等から伝わってきました。
この講演をきっかけに、社会人として経済的に自立し、金融に関する確かな知識と判断力を身に付けた家庭科教員として成長してほしいと考えます。