令和5年度「大学生アグリスクール 」第4講が行われました
令和5年11月23日(木・祝)、本学と連携協定を締結しているJA福岡市との共同により「大学生アグリスクール」第4講が開催され、今回は大学(栄養科学部、流通科学部)の学生23名が参加しました。
このアグリスクールは、学生たちの農業や食産業への関心が薄れてきているという課題を解決するための取り組みの一環として、農業体験や加工体験等、一連の生産工程等の体験を通じて農業者等と共感することで、学生が自ら生きる力を養うとともに、地元の食べものや農業の理解を深めることを目的として行われています。
今年度の実施にあたっては、令和5年4月5日(水)に本学関係教職員とJAの担当者が打合せを行い、学生たちが農業や食産業への関心を高めるためのカリキュラムが協議され、令和5年5月18日(金)に参加学生向けの事前オリエンテーションを実施しました。今回の課題とアグリスクールの目的や開講にあたっての心構えを十分に理解し、地元で行う数々の農作業、地域資源を生かした伝統料理や味噌造り、課題学習等が盛り込まれた年5回の実践的なカリキュラムの内容を事前確認の上、令和5年5月27日(土)に第1講(さつまいもの定植、玉ねぎ収穫など)を、令和5年7月9日(日)に第2講(トウモロコシ収穫、味噌造りなど)、令和5年9月23日(土)に第3講(さつまいものつる返し、伝統料理の調理など)を行いました。
[第4講の学生レポート]
【農作業:さつまいも・じゃがいもの収穫と選別】
さつまいもの収穫は、サツマイモを傷つけない位置にスコップを入れる角度が難しく、また、土が硬かったため、全身を使う力作業で、想像をしていたよりも体がヘトヘトになるくらい大変で、農家の方の大変さを体感することができました。また、自分たちが植え、つる返ししたものを収穫することができて感慨深い気持ちになりました。 一方でじゃがいもの収穫は土が柔らかかったためスコップを入れる力が小さく、簡単に掘ることができました。しかし、”そうか病”というかさぶたのようなものがたくさん付いているものが結構多かったので、農家の方は野菜の病気とも闘わなければならないことが分かりました。
【味噌や糀を使った料理の調理】
今回は、冷たい甘酒コーンスープ、甘酒おからバー、小松菜と焼きしいたけの甘酒ごま和え、豚肉の甘酒みそ焼きの4つを作りました。 特に甘酒を使った冷たいコーンスープは、よりすっきりした甘みと優しい味でとても美味しかったです。甘酒を加熱すると米っぽさが消えて食べやすくなり、優しい甘さという甘酒の魅力に気づくことができました。砂糖の代わりに甘酒を使って料理を甘くすることで、普段の料理にも活用しやすいと感じました。甘酒の作り方も教わったので、今度は家で甘酒から作ってみようと思います。
【味噌だし】
7月の第2講で仕込んだ味噌を保管場所から出し、熟成部分とそれ以外の部分を取り分ける作業を行いました。黒カビや白カビが表面にたくさん生えており、上部に塩がたまっていたので、それらの部分を削ぎ取る作業が必要であることを学びました。また、仕込みの際、塩を振っていた場所のすぐ下1センチほどが濃い色の味噌になっていたため、その部分も取り分けました。なお、この部分はかなりしょっぱいため、そこに野菜を漬ければ2〜3時間で浅漬けにできると知り、驚きました。熟成された味噌の部分を皆で分け、自宅に帰って食べてみるととてもおいしかったです。
【課題解決学習】
4班に分かれ、各班の議長、発表者、記録者を決め、今回は、これまでのアグリスクールの振り返りを行い、アグリスクールの目的を達成できたか、できなかった点についてはどのように改善していけばよいかを課題として話し合いました。 達成できた点としては、毎回JAの方と協力して農作業や調理体験を行ったことにより、栽培方法や収穫方法、加工方法などを学び、農業の大変さ・難しさ、農家の方の苦労に共感することができたことです。また、せっかく収穫しても見た目の良し悪しから一部のものしか市場に出ないことを知り、食材のありがたみも感じることができました。さらに、これまでの伝統料理や普段あまり使う機会のない麹や甘酒などを使った料理を作る体験から、自ら行う料理の幅を広げることもできました。
達成できなかった点としては、時間厳守で行えなかったことが多かったことです。時間が押してしまい決められた範囲の収穫を終えることができなかったことなどを反省し、日頃から各自が時間を意識して役割分担を行い、先を見越した行動をとるなど意識改善する必要があることを実感しました。
また、知識の不足という点も挙げられ、生産から販売までの一連の過程や、今回のじゃがいもの”そうか病”のように、生産時や収穫時の質を上げることや地元の野菜を使うために必要なこと、野菜の病気についてのことなど、まだまだ知らないことが沢山あったので、これからも知識をより深めていこうと思いました。
回を重ねたことで各自が意見を言いやすくなって、たくさんの意見が出ました。これまでの活動を改めて振り返ってみると、実際に農業を体験したからこそ分かったことも多く、有意義な時間を過ごせたことを実感しました。
【次講へ向けての準備:POP作成】
次講の博多じょうもんさん天神市場の販売に向けPOP作成を行いました。
紙を芋の形に切って貼り付けたり、文字をアレンジしたり、楽しくわいわいとPOPを作成しました。多くの方に見てもらえるようなデザイン案がたくさんあり、個性豊かなPOPができました。自分たちで収穫したさつまいも・じゃがいもをたくさん販売できるように頑張りたいです。
レポート 栄養科学部 フード・マネジメント学科 3年 小森 友葵乃、﨑野 友萌、藤野 佑梨香、村上 知歌子