中村学園大学・中村学園大学短期大学部

食物栄養学科特別講演会~農林水産省九州農政局 江頭 寿昭様~

2025年6月16日

6/12(木)、農林水産省九州農政局 持続的食料システム戦略推進官の江頭寿昭様をお迎えし、食物栄養学科特別講演会を開催しました。

本学は昨年、九州農政局と九州の食産業(農林水産業及び食品産業)の発展と食産業に関する人材育成及び学術研究の発展に寄与することを目的とした包括的連携協定を締結しました。九州の農業が抱える課題や取り組みなどについて、講義を通じた学生の教育や食産業に関する人材育成、および学術研究における調査研究への参加などが期待されています。
今回の講演では「みどりの食料システム戦略について」をテーマにお話しいただきました。

「みどりの食料システム戦略」は、今後も将来の世代が安定的に食料を生産・確保できるように、生産者だけでなく消費者など食料に関わる人々が連携して、CO2削減など環境にやさしく、生産性も高い農林水産業への変革を進めていこうという取組みです。
この戦略は「食料・農林水産業の生産力向上と持続性の両立をイノベーション(技術革新)で実現」を掲げており、2021(令和3年)に農林水産省が策定した政策方針です。

講演ではまず、「みどり戦略」を策定した背景についてご説明いただきました。
現在、温室効果ガスによる地球温暖化、食品ロスの増加、生物多様性の損失などにより食料や農林水産業をとりまく環境は様々な課題に直面しています。環境との調和を取りつつ、食料の安定供給を確保する必要があり、農林水産業や地域の将来を見据えた持続可能な食料システムの構築が緊急の課題であることを学びました。また、将来世代に向けた「みどりの食料システム戦略」の理解を浸透させるための具体的な取り組みについてもご紹介いただき、私たち消費者ができることからはじめることが、課題解決にも繋がっていくということを伝えていただきました。

質疑応答では、学生から「以前に食育の一環として献立作成を行っていたが、これもみどり戦略の一環になるのか」などの質問が投げかけられ、食に対する興味・関心の高さがうかがえました。

学生からは「『みどりの食料システム戦略』と名前だけ聞くと難しいイメージがあったが、講演を聞いていくうちに調理実習で行っているフードロス削減やコンポストなのど取り組みも、この取り組みの一つだと知り親近感が湧いた」「温室効果ガスの原因となるメタンガスの発生要因についても詳しく知ることができた。今後は、実践出来ていることを含め、今回学んだことを一つでも多く取り組めるように意識して生活していきたい」といった感想が聞かれました。
今回の講演は、栄養士を目指す学生にとって、環境や社会についても改めて考える有益な機会となりました。