中村学園大学・中村学園大学短期大学部

「国内フードビジネス研修Ⅱ」ニコニコ海苔株式会社様を訪問しました

2025年9月5日

「国内フードビジネス研修Ⅱ」は、食の生産から消費までの流れを現場で学ぶ演習科目です。工場見学や担当者様から直接レクチャーをいただくことで、衛生管理や品質管理、設備のしくみなどの理解を深めます。

以下は、ニコニコ海苔株式会社様を訪問した学生のレポートです。

私は今回、海苔の製造・販売を行っている「ニコニコ海苔株式会社」について学びました。ニコニコ海苔は1921年に設立され、大阪に本社を構え、全国に支店を展開している歴史のある企業です。特に1931年に導入された「ロール式味付け機」は、海苔業界の発展に大きな影響を与えたとされています。

まず、大きな特徴として①外食用や家庭用の海苔におけるシェア率の高さ、②グループ会社(小浅商事・ニコニコ海苔・ヤマコなど)が協力して販売する体制、③商品開発力が挙げられます。特に商品開発では、キャラクターがデザインされた「キャラデコのり」や、用途別に工夫された高付加価値商品など、300種類以上の商品を展開しており、消費者の多様なニーズに応えています。また、関連活動として「おにぎらず専門店 笑屋」の運営や、アスリートを応援する活動も行っており、海苔の新しい可能性を広げていました。

次に、九州工場についてです。この工場はドーム型の構造をしており、加工場を広く利用できるというメリットがあります。これにより機械の調整などもしやすく、効率的な製造が可能としています。製造工程は、牡蠣殻の中で海苔を育て、23度以下で冷凍網に牡蠣を入れて養殖し、その後-20度で保存して収穫する流れで行われています。特に冬場に収穫される海苔は黒く品質が高いのに対し、収穫を重ねるごとに緑色になり品質が下がっていくという特徴があります。その後、攪拌・切断・調合・乾燥・選別といった工程を経て海苔が製品化されています。

また、海苔は市場に出る前に二段階の審査を受けられていました。一次審査では製造後に漁協へ集められ、共販場で見付けが行われ入札によって販売され、その後、二次審査で加工が行われ、天然調味料をブレンドすることで製品として完成する。こうした厳格な審査を経ることにより、品質の高い海苔が私たちの食卓に届けられていることが分かりました。

さらに、ニコニコ海苔の取り組みは国内にとどまらず、アジアや南北アメリカなどへと広がっており、海苔のグローバル化に大きく貢献しています。日本の伝統的な食材である海苔が海外でも受け入れられている点は非常に興味深く、食文化の交流の一端を担っているといえます。
最後に、ニコニコ海苔の企業理念である「真心をむすぶ、人をむすぶ」は、単に海苔を製造・販売するだけではなく、人々の生活や心を豊かにする役割を果たしていきたいという思いが込められていると思いました。食卓でお馴染みの海苔には、長い歴史や技術、そして企業の想いが詰まっていることを知り、普段何気なく食べている食品に対してもより関心を持つことが大切だと感動しました。

フード・マネジメント学科2年 森 南菜