ゲストスピーカー講義「藻場再生と地域の未来へ」
10月15日(水)、流通科学部2年生3ゼミ合同でゲストスピーカー講義を行いました。
ゲストスピーカーとしてECOS技術士事務所の安藤様、日建工学株式会社の大熊様、三洋テクノマリン株式会社の北野様と吉村様をお招きし、藻場消失の現状と課題、再生に向けた取り組みについてお話をお聞きしました。
はじめに、ECOS技術士事務所の安藤様より地球温暖化と藻場消失の関係について説明していただきました。「藻場」とは海中に繁茂する海草や海藻のことを指します。海草・海藻は健康食材として知られていますが、海中では魚介類の産卵・育成の場である「海のゆりかご」としての役割があり、さらに地球温暖化の要因の一つであるCO2を吸収・貯留してくれるという特徴も持っています。ところが、海水温の上昇に伴って海草・海藻を好んで食べる魚やウニなどの植食動物が増加し、日本各地の海で藻場消失が深刻な課題となっています。増えすぎてしまった植食性の魚やウニを駆除して藻場を再生させると同時に、駆除した魚やウニを商品として加工・販売し地域経済に役立てていくことが期待されています。
次に、日建工学株式会社の大熊様より「国土強靭化」「カーボンニュートラル」に適応した技術開発と同社が開発した「環境活性コンクリート」を活用した漁港での藻場再生活動についてお話を伺いました。
最後に、三洋テクノマリン株式会社の北野様・吉村様より「海の中で藻場がどれだけ広がっているのか?」を様々な手法を用いて計測し、課題解決に向けた提案を行う「環境コンサルタント事業」についてお話を伺いました。
受講した学生たちからは「藻場についての課題や可能性について初めて知ることができた。技術者だけでなく企業や学生とも連携するなど新たなビジネスの創出もでき、私たちにもできることはあると分かって興味深かった。」「今まで海藻に着目して環境問題を考えたことがなかったので、今回の講義で知ることができて良かった。」といった声が聞かれました。
