中村学園大学・中村学園大学短期大学部

特別講義:おしゃれに地産地消・6次産業化

2025年10月30日

6次産業化の事例として、マーケティングリサーチが不十分で、どのような顧客をターゲットとし、既存の商品とはどのようにポジションが異なる新商品を目指すのか曖昧なため、顧客ニーズを掴めておらず、残念な結果に終わるケースも見られます。

こうした中で、メニューに使用する野菜や果物はもちろん、コーヒーやクラフトビール、食器、スタッフのユニフォームに至るまで福岡県産のものに徹底してこだわり、しかもおしゃれな地産地消レストランTHE ALLDAY ORTOを運営するとともに、飲食店プロデュース、新商品開発プロデュースまで多角経営する株式会社オルトアンドカンパニーの 上永寿々加 社長を特別講師にお迎えしました。

 
【受講した学生の感想】
上永社長のお話を伺い、今私たちが大学で学んでいることは決して無駄ではないという言葉が特に印象に残りました。
上永社長は「行く場所によって気持ちが変わる」「人の気持ちを変える場所を作りたい」という想いから事業を始められたと聞き、強い理念と情熱をもって取り組まれていることを感じました。福岡の食材やモノを活かした地産地消にこだわった飲食店の経営を行うだけでなく、地域振興プロジェクトや店舗・商品のブランディング事業にも力を入れられており、お話の中で特に「ブランディングとは企業や店舗、商品の方向性を消費者に伝えること」「ブランドとは消費者一人ひとりが抱くイメージ」であり、この二つが一致したときに初めてブランディングが成功するというお話が印象的でした。
また、同じコーラでも購入する場所や環境によって価値が変わるという例を通して、ブランディングによって商品価値そのものが変化することを理解しました。消費者が納得し、その価格であっても「買いたい」と思えるような付加価値を生み出すことこそ、ブランディングの本質だと感じました。
さらに、大学で学んでいるSTP分析やSWOT分析などのマーケティング手法が、実際に企業経営の現場で活用されていることを知り、学びの重要性を実感しました。これからは授業やゼミ活動を通して、より実践的にブランディングやマーケティングの知識を深め、地域や企業の魅力を引き出せる人材を目指したいと思います。また、「人の意見を聞く」「妥協しない」といった上永社長の姿勢を大切にし、柔軟な発想力と行動力を身につけていきたいと感じました。

フード・マネジメント学科3年 中富 奏一朗

 
今回、オルトアンドカンパニーの上永さんのお話を聞いて、上永さんの人や空間に対する誠実なまなざしを感じました。お店作りを単なるビジネスと考えるのではなく、人の気持ちを動かせる場を生み出す仕事として捉えている姿勢が凄く、ブランディングによって商品価値を生み出すことが仕事の面白さであると聞き、デザインの本質は見た目ではなく「人の心に何を届けるか」という想いにあるのだと感じました。
また、福岡の魅力を食器、家具や音楽、スタッフの雰囲気などあらゆる要素を通して地域の良さを表現していて、人の気持ちを動かせる場とは、見た目の美しさだけではなく、訪れた人が福岡の良さを「心」で感じ取ることのできる場所作りが大切だと学びました。
講義の中で印象に残ったことは、ブランディングについて、コンセプトなどのマネジメントについての話が印象に残りました。ブランディングについては、消費者の心をつかむことがブランド確立に繋がり、かっこいいものを作るのがブランディングではなく、ブランディングによって商品価値を変えられるということを学びました。ブランディングは見た目を整えることではなく、どんな想いを伝えたいのか、誰にどのような体験を届けたいのかを明確にし、それを一貫して形にしていくプロセスだということを実感しました。
また、マネジメントについては、コンセプトの決定方法、ターゲティングのチャート、ペルソナの決定など、授業で学んだ知識を実際の現場でどのように活かしているのかを具体的に知ることができ、とても勉強になりました。最後に、意見を聞く、自信過剰にならない、色々な物を見ることが大切だと学び、時間に余裕がある今のうちに、色々な体験、色々な物を見て、ものを多角的な視点で見てアイデアに繋げることが今後の自分の成長に必要だと感じました。

フード・マネジメント学科3年 藤河 しおん