令和7年度第52回公開講座(2日目)を開催しました
11月2日(日)、本学にて「五感でひらく学びの扉」をテーマに2講座が開催されました。
本講座は、本学教員の専門領域における斬新で興味深い演題や生活に身近なテーマを取り上げ、毎年開催されており、今年度は5講座(10月4日に2講座開催)に次いで、3講座開催されました。
【学生レポート】
〇人の印象はどうやって作られるのだろうか?(人の印象は最初が肝心って本当なの?)
講師:流通科学部 講師 三上 聡美
今回の講座では、「初対面の相手に対する印象形成」をテーマに、アンケートを用いた講義が行われました。参加者は、人と初めて会ったときに相手のどこに注目するのか、身体的特徴(外面的特徴)や性格・情動などの内面的特徴のどちらに着目するかを考察しました。
人は初対面の場面では、相手に関する情報が少ないため、見た目や話し方、表情など五感で得られる外的要素から相手の性格や気質を推測していることが明らかになりました。
また、講座では「第一印象」と「印象形成」の違いについても説明があり、心理学者アッシュによる印象形成の実験結果やグラフを用いながら、どのように人は他者の印象を構築するのかが具体的に解説されました。
特に、ポジティブな情報から相手を紹介した場合と、ネガティブな情報から紹介した場合とでは、印象に差が生じることが示され、良い印象から伝えたほうが、全体的に相手をより好意的に評価する傾向があるという結果が紹介されました。
とても興味深い内容に参加された方々も聞き入っていました。
(レポート 流通科学部 2年 草場 浩嘉)


〇食中毒と添加物のホントとウソ
講師:栄養科学部 栄養科学科 准教授 川野 光興
川野先生は、まずお弁当を例に挙げながら、適切に調理・保存をしないとすべての食品に食中毒のリスクがあると述べられました。少量の菌が付着しているだけでも発症するため、見た目や臭いでは判断できないことが食中毒の怖さであるということです。
また、1996年に大阪府堺市で発生した大腸菌O157による集団食中毒事件を例に、食中毒には後遺症が残る恐れがあり、決して軽視してはいけないと語られました。近年では福岡県でも、アニサキス・ノロウイルス・カンピロバクターによる食中毒が多くを占めているそうです。特にアニサキスによる被害が増えており、川野先生の食品衛生に関する実験授業において実際にさばを用いて確認したところ、216匹ものアニサキスが潜んでいた魚もいたそうです。アニサキスは動き回る印象がありますが、実際は丸まって潜んでいるため、家庭で魚を扱う際には注意して観察する必要があると話されました。
一方、食品添加物については、一般の消費者はリスクが高いものと考える傾向にありますが、食品安全の専門家にとっては数あるリスク要因のひとつに過ぎないとされています。重要なのは「摂取の頻度」と「量」であり、適切な範囲内であれば安全性が保たれるということです。
今回の講義を受けて、私は普段お弁当作りや作り置きをする中で、調理や保存の大切さを改めて実感しました。また、カップラーメンやお菓子をよく食べるため、添加物について不安に思うこともありましたが、正しく理解することの重要性を学びました。今後は、十分な加熱や冷凍などの正しい調理・保存方法を意識し、安心して食事ができるように心がけていきたいと思います。
参加された方々から多くの質問が寄せられ、関心の高さがうかがえる講座でした。
(レポート キャリア開発学科 2年 東 菜々美)


〇味はバーチャル!?ハイブリッドレシピを実験しよう!
講師:栄養科学部 フード・マネジメント学科 講師 木村 俊輔
今回、「味」をテーマとした講座が小学校1〜3年生の親子を対象に開催されました。
はじめに「蝶はどこで味を感じているのか?」といったクイズが出題され、子どもたちは楽しそうに答えていました。
人間とはまったく異なる仕組みで味を感じ取る生き物がいることが紹介されると、参加者からは驚きの声が上がりました。
続いて、人間は「基本五味」と呼ばれる五つの味のバランスによって味を判断していることや、「味覚センサ」という装置を使うと基本五味を五角形のグラフとして表すことができることが説明されました。
さらに、味のグラフの形が同じ2つの食品があると、見た目や材料が異なっていても同じ味に感じられることを、試飲を交えた体験型の実験を通じて学びました。
参加した子どもたちからは、とても楽しく勉強ができたと喜びの声が聞かれました。
(レポート 流通科学部 2年 草場 浩嘉)


