九州農政局様による特別講義「九州におけるスマート農業の展開」
流通科学部「アグリビジネス」の授業では、世界の食料問題や農産物貿易、日本の食生活や食料自給率、農業の実態などを踏まえながら、日本の農業およびアグリビジネスにおける基礎知識を学んでいます。
11月26日(水)、九州農政局 生産部環境・技術課長 德田康紀 様による特別講義「九州におけるスマート農業の展開」が行われました。本学と九州農政局は包括的連携協定を締結しており、九州の農業が抱える課題や取り組みなどについて講義をいただいています。
まず、農林業センサスのデータベースより、耕地面積や年齢層などの九州の農業の実態が提示されました。九州の農業産出額は約1.9兆円で全国の約2割を占める一大食料供給基地である、しかし基幹的農業従事者数は2000年以降の20年間で45%減っている等、九州農業が置かれている状況を明確化し、一方で作付規模が大きくなるにつれ労働費・物財費は安くなる、大規模に作付したほうが生産費は低くなる等の目指すべき方向性や課題等も示されました。
次に、スマート農業の取り組みや効果について紹介されました。
スマート農業とはロボット技術やAI、ICT等の情報通信技術を活用し、農業の生産性向上、省力化、高品質化を目指す農業のことです。スマート農業の概念が出てきたこの10年間で、ドローンによる農薬散布、自動水管理システム、直進アシスト田植機等、九州の各地でも取り組みが行われ、その効果についても実証が進んでいます。
今後は、農業従事者の大幅な減少が見込まれるため、スマート農業を最大限活用した生産方法への転換、技術の開発が期待されます。
【受講した学生のコメント】
「今回の学びを通じて、スマート農業は未来の農業を支える重要な技術であると感じました。九州各地の事例は、スマート農業が地域特性に合わせて導入されることで、経済的・社会的に大きな効果をもたらすことを示しています。スマート農業の発展に期待し、その可能性を積極的に探求していきたいと思います。」
「農業が単なる「食料を生み出す産業」ではなく、地域社会や技術革新と密接に結びついたダイナミックな産業であることを理解しました。こうした地域産業の現状と未来について継続的に関心を持ち、自分の生活ともつながる視点から考えていきたいです。」
「これから日本の農業が持続するためには、挑戦が欠かせません。今回の講義で得た知識を踏まえ、スマート農業がどのように地域農業や社会を変えていくのか、引き続き関心を持って学んでいきます。」
