学生アルバイト現場の外国語ニーズに基づく音声付き教材の開発 ― 本学教育改革支援制度による教育改善の取り組み ―
福岡の地域特性と外国語使用意識
福岡市はアジアの玄関口として高いインバウンド需要を有しており、海外渡航経験のない学生でも、日常生活やアルバイト現場で外国語に接する機会が増えています。本プロジェクトではこの地域特性に着目し、アルバイト経験を「目的志向型言語使用」の重要な教育資源として捉えました。
アルバイト現場は実践的英語を学べる貴重な環境であり、その教育的価値を活かすため、本学流通科学部および栄養科学部フード・マネジメント学科の学生を対象に質問紙調査を実施しました。
アルバイト先での外国語使用ニーズに関する調査
【調査概要】
対象:中村学園大学 流通科学部・栄養科学部フード・マネジメント学科
対象者数:1,508名
回答数:791名(回答率52.5%)
実施時期:2025年6月~7月
過去1年間にアルバイト経験がある学生は95.8%にのぼり、勤務先は飲食店が76.1%と最多でした。ホテル・宿泊施設や福岡空港など、外国人利用者の多い現場での就業も確認されました。アルバイト先で使用した外国語は「英語」が69.9%と最も多く、次いで「韓国語」25.2%、「中国語」10.7%でした。
現在アルバイトをしている学生(758名)のうち、外国人と「週に数回以上接する」と回答した学生は42%にのぼり、約8割が「将来、仕事で外国語を使う可能性がある」と感じていることが明らかになりました。本調査結果から、福岡市のインバウンド需要が学生の外国語使用意識を育んでいることが示唆されました。
音声付きオリジナル教材「接客英語101」の開発
大学の外国語授業で学びたい内容を尋ねたところ、「接客用語」が67.1%と最も多い結果となりました。これを受け、栄養科学部フード・マネジメント学科の津田晶子准教授と流通科学部の池田祐子准教授を中心に、両学部の学生がすぐに活用できる音声付きオリジナル教材『接客英語101(ワンオーワン)』を開発しました。
本教材は、学生アンケートの「アルバイト先での困りごと」の回答をもとに構成されており、
・神フレーズ50
・業態ごとの接客の流れ
・アルバイト英語NG集
を収録しています。教材は学内システム(UNIPA)を通じて配布し、日々の英語使用や授業学習に活用します。
今後の展望
具体的な学生ニーズに基づく教育改革は、学習意欲の向上と卒業後のキャリア形成を促進する可能性があります。今後は地域特性を活かした産学連携や実務型プログラムへ発展させ、学生の経験を学術的に昇華させる取り組みを目指します。
本研究は「中村学園大学教育改革支援制度」の助成を受けて実施しました。
