中村学園大学・中村学園大学短期大学部

  • アスリートを支える
    「スポーツ栄養」という道へ。

    株式会社 AND-U
    𠮷村 俊亮さん
    2011年
    栄養科学部栄養科学科 卒業

「人の人生を変えられる」トレーナーという仕事との出会い。
ドイツで学んだ「専門家であるよりも人であれ」という言葉。

私たちの仕事は、アスリートなどスポーツをする人の食事やトレーニングによる体づくりのサポートです。朝昼晩の食事の提供や、スポーツチームの寮での食事の提供、栄養管理、栄養指導、高校や大学のクラブチームへの講習会なども行なっています。最近では「スポーツ栄養」という言葉が広まり、10代、20代の方にも私たちのサービスを知っていただけるようになりました。『食』の道に進んだきっかけは、中学生の頃、食物アレルギーで検査入院をした際に、管理栄養士の方が作ってくれた食事との出会いでした。 食の分野に進みたくて中村学園大学へ。スポーツクラブのアルバイトでトレーナーという仕事を知り、お客様の体や暮らしが変わっていくのを見て、「人の人生を変えられる」すごい仕事だと思い、この道を選びました。
一番印象に残っているのは、プロアスリートのサポートで同行したドイツでの仕事です。テレビなどで観るトップアスリートの姿は非常にしっかりした印象だと思われますが、一緒に何か月も生活していると、どんなにすごい選手でも様々なことに悩み、喜び、色々な側面を垣間見ることができ、選手も同じ人間だと感じました。私たちは体の状況を考えて献立をつくりますが、時には、メンタル面を優先することがあります。アスリートにとって食事は唯一の楽しみであり、競技を忘れられる貴重な時間。有名であれば気軽に外にも出られません。アスリートがメンタル的に落ち込んでいる時には、体への栄養バランスが多少崩れてでも、存分に楽しめる食事にして心のコンディションを上げる必要もあるのです。専門家である前に、まず同じ人として仕事をすることが大切だと気づいたときでした。「専門家であるよりも人であれ」という言葉は、今の会社のクレド(信条)にもなっています。

興味あるものへの積極的な行動が新しい扉を開くきっかけになるかも。

中村学園大学では、大勢の前で発表する機会が多くあり、また、グループワークなどの経験が、今の仕事にすごく活きていると思います。トレーニングの指導では、人への伝え方にもこだわっており、ゆっくりとしたトーンで優しく語りかけるようにいつも心がけています。学生の皆さんには、ぜひいろいろな人の話を聞く機会を多く持って欲しいと思います。自分が興味のあるイベントに足を運ぶことや、SNSを使ったチャンスの発見が、新しい扉につながるかもしれません。私の目標は、プロだけではなく、アマチュアのアスリートへのサポートを増やして、スポーツ栄養分野の裾野を広げていくこと。そして、培ってきた知識と技術を、広く一般の人に役立てること。最近では、デイサービス施設を利用する高齢の方の栄養・健康づくりのサポートを始めています。高齢の方が生活しやすい体をつくり、元気で充実した人生を送れるよう貢献していきたいです。スポーツ栄養の分野に進みたい人はたくさんいますが、まだまだその需要に対して仕事が少ないのが実情です。この業界にたくさんの人が集まれるように新しい道をつくっていきたいと思います。