中村学園大学・中村学園大学短期大学部

栄養科学研究科博士前期課程の大学院生が学外実習を行いました

2018年10月9日

平成30年9月29日(土)、栄養科学研究科博士前期課程1年生の栄養科学実験・実習(臨床栄養学分野)が、早良区の学校法人福岡学園介護老人保健施設サンシャインシティで行われました。本実習は、地下鉄七隈線沿線三大学連絡協議会を通じた福岡歯科大学との連携により実施されており、今回で3年目をむかえました。
実習のテーマは、「後期高齢者の栄養学的問題点」であり、デイケアに通いながら自宅で生活されている施設利用者および常時介護を必要とされる入所者の方々とコミュニケーションを取りながら、栄養学的な課題の発見・観察をすること、臨床現場で管理栄養士が行う栄養管理の実際や他職種との連携、あるいは大学院生同士のディスカッションを通して課題解決を図ることを目的として実施されました。具体的には、介護老人保健施設における管理栄養士業務や、口腔ケアの重要性、認知症等を原疾患に持つ入所者の身体状態の把握および栄養管理のあり方など幅広い内容について、実践形式で学びました。

栄養管理の面においては、複数の疾患を有する入所者や利用者が多いため、栄養素のコントロールや形態調整など、個別に対応した特別食の提供が必要となりますが、そのベースとなるのは、食事を美味しく、楽しく、そして満足できるよう、献立を創意工夫し、個々の嗜好に対応するきめ細かさなど、真心を込めた食事サービスであることを学ぶことができました。入所者の方々が、「食事が美味しい」とにこやかにお話しをされたことがとても印象的でした。
一方で、施設には、フレイルやサルコペニアといった低栄養に関連するリスクを抱える方が少なからず存在しました。このような栄養問題を抱える入所者の方々には、日々の食事摂取状況の管理に加え、定期的な栄養ケア・マネジメントおよび多職種連携による情報共有・共通理解をはかっておられ、管理栄養士が行う栄養管理の重要性について理解を深めることができました。
今回、介護保険施設における栄養管理の実際を学ぶ機会を通して、今後の自分たちの管理栄養士としての未来像を描く重要な契機となりました。ご指導いただきました介護老人保健施設サンシャインシティの先生方に厚くお礼を申し上げます。

栄養科学研究科博士前期課程 香田夏生・川崎理香子・花村衣咲