中村学園大学・中村学園大学短期大学部

栄養科学研究科博士前期課程の大学院生が学外実習を行いました

2021年10月20日

10月2日(土)、栄養科学研究科博士前期課程1年生の栄養科学実験・実習(臨床栄養学分野)が、学校法人福岡学園介護老人保健施設サンシャインシティで行われました。本実習は、七隈線沿線三大学連絡協議会を通じた福岡歯科大学との連携により実施されており、今年で6年目をむかえました。今年度は、施設のCOVID-19対策会議の遵守事項の下、利用者、スタッフおよび実習学生の健康と安全を考慮して実習を行いました。

今回の実習目的は、介護老人保健施設を利用されている後期高齢者の方々の栄養学的な課題解決について学びを深めること、管理栄養士をはじめとする多職種連携の実態を具体的に知ることでした。

実習に先立ち、介護老人保健施設における食事の重要性と管理栄養士および多職種連携の必要性、施設の概要や設備について説明を受けました。なかでも、浴場の見学は、実際の設備や介護度に応じた入浴介助について知る貴重な機会となりました。その後、胃瘻で栄養管理をされている利用者を対象とした口腔ケアを見学、次いで、半固形化栄養剤を胃瘻から投与する場面を見学しました。この際、誤嚥性肺炎や口臭予防のために口腔ケアの重要性と、利用者の表情を見ながら、誤嚥等のトラブルがないよう注意する必要があることを学びました。

昼食前には、利用者の方と一緒に、誤嚥を防ぐための嚥下体操を行い、その後、事前に配布された利用者の方の栄養管理に関する情報と介護スタッフを介した聞き取りを元に、栄養アセスメントを行いました。利用者情報に記載されていた疾患や介護度から想像していた食事風景と、実際の食事風景の差に驚き、対象者から直接聞き取りし、アセスメントを行うことの重要性を感じました。

午後はデイケア利用者の食事風景を見学し、入所者との平均介護度の差を学びました。また、個人の嗜好や行事などの季節感を生かして「食べてもらうこと」に重きを置いた栄養管理の実際や、食べてもらうための栄養相談を行うことの重要性を学びました。食事風景を観察、食事の介助など、介護老人保健施設での管理栄養士の責任の大きさを感じました。さらに、学部時代には学ぶ機会のなかった口腔機能と咀嚼、嚥下の仕組みを学び、食事と歯・咀嚼・嚥下の関係の重要性を改めて考える貴重な機会となりました。

コロナ禍での行事食は、代替案や提供方法を考え、外出・外泊できない利用者が少しでも楽しめるように工夫されていました。また、連絡ノートを活用した多職種、ご家族との連携の必要性や、対面でのコミュニケーションの重要性を感じました。

私たち大学院生のために、お忙しい中であるにも関わらず、ご指導をいただきました介護老人保健施設サンシャインシティすべての先生方に厚くお礼を申し上げます。

 

相川 響、 太田 慎太郎、 上前 智哉、 篠原 祐太郎、 古園 千遥