栄養科学研究科 博士前期課程の大学院生が学外実習を行いました
9月19日(木)、栄養科学研究科博士前期課程1年生の栄養科学実験・実習(臨床栄養学分野)が、学校法人福岡学園介護老人保健施設サンシャインシティで行われました。例年、本実習は、七隈線沿線三大学連絡協議会を通じた福岡歯科大学との連携により実施されています。
今回の実習目的は、超高齢社会における栄養学的な課題を介護老人保健施設の高齢入所者の方とのコミュニケーションを通じて栄養状態のスクリーニングとアセスメントを実践することや、臨床現場の栄養管理の実態および多職種連携の学びを通して課題解決をはかることです。
今回の実習では介護老人保健施設の入所者の方や通所利用者の方と各専門職の関わり、管理栄養士の役割、多職種連携の実際を見学させていただきました。
入所者の方は、私たちが想像していたよりも、ご自身の健康状態に対して関心を持たれている事を、実際のコミュニケーションを通じて知りました。
また、通所利用者の方においても、ご自身の疾患や健康状態に対して高い関心を持たれている事は共通していましたが、食事に対するこだわりや興味は入所者の方よりもさらに高く、食事の工夫をされている方が多い事が印象的でした。
通所利用者の方は入所者の方と比べ、生活の自由度が高いため、食事や健康面の自己管理能力、家族のサポートなどがより必要であるという事が理解出来ました。
食事時間の前には、経管栄養が必要な方に対する口腔ケアや適切な胃瘻の管理、口から安全に食事を食べるための嚥下体操が行われており、各職種の方々がチームになって、入所者の方の健やかな療養生活を支援している事が分かりました。
ミールラウンドでは管理栄養士だけでなく、看護師や介護福祉士、歯科衛生士、言語聴覚士の各先生方が入所者の方の食事摂取状況を観察し、適切な座位姿勢や食形態などについてディスカッションが行われており、多職種の視点から課題解決の糸口をみつける事の大切さを学びました。
今回の実習を通じて管理栄養士としての知識や技能を向上させることはもちろんですが、これから関わる対象者にどのような課題やニーズがあるのか把握し、それらに真摯に向き合い対応出来る応用力を身に着ける必要性を実感しました。
最後になりますが、私たちを実習生として受け入れてくださいました施設長の岡田先生、介護長の村上先生をはじめスタッフの皆様、入所者および利用者の方々に御礼申し上げます。
中村学園大学大学院 栄養科学研究科
梅津 美紀、後藤 真美、冨田 希望、西森 涼風