中村学園大学・中村学園大学短期大学部

食物栄養学科 お茶摘み体験報告

2018年5月24日


 

平成30年5月20日、福岡市椎原茶園にて、お茶摘み、茶もみ、釜炒り茶作り体験が行われました。今回はJA福岡市主催のもと食物栄養学科の1・2年生、計33名の学生が参加しました。福岡県の特産物であるお茶について知識を深めるとともに、お茶作りの製造工程のひとつに触れ、生産者の方々のお茶作りに対してのこだわりを実感しました。
椎原茶園は70年以上前の戦前につくられた歴史あるお茶園で、現在でも一切農薬を使用せず日本のお茶の在来種を守り続けているそうです。JAの方に手摘みの方法やコツを教えていただき、茶葉として必要な新芽と葉を見極め、丁寧にひとつひとつ摘採を行いました。説明を聞くまでは三葉と呼ばれる大きい葉が茶葉として使用されるものだと思っていましたが、茶葉として使用される葉は芯芽と呼ばれる葉の中でも先端で最も柔らかい部分であることを知り、広大なお茶園の中でもほんのわずかしか茶葉として使用されないことを知りました。雲一つない快晴のもと、5月の新緑の鮮やかな輝きを感じながらお茶摘みをする時間は、とても気持ちがよく、心が洗われているような心地がしました。


 

次に茶葉を炒る作業を行いました。大きな釜の中で茶葉が焦げないように素早く炒り、茶葉の水分をとばします。炒った後は茶葉が冷めないようにすぐに茶もみを行います。茶もみは敷物の上で茶葉をひとかたまりにし、手の平で体重をかけてもみこみます。そして再び茶葉を炒りました。この茶葉を炒る作業は、色味を良くし、風味、香りをつけるために茶葉の様子を見ながら入念に行います。椎原茶園では通常、茶葉を一週間天日干しにし、茶葉を完全に乾燥させるそうです。乾燥しすぎても、水分が芯から抜け切れていないのも良くなく、ベストな茶葉の状態に乾燥させることが大切なのだそうです。
昼食には、福岡市早良区脇山の特産物であるかしわご飯のおにぎりをいただきました。お茶摘み体験をした後のおにぎりはとても美味しく、おかわりをする学生も多くいました。JAの方は、「この体験を機にぜひご家族と一緒にかしわご飯を作り、味わってほしい。」と話されました。
今回、ひとつひとつのお茶の葉を摘み取る大変さ、その中でもこだわりぬいて生産する生産者の想いを知り、お茶園ではお茶の文化、自然の魅力を肌で感じる有意義な体験となりました。椎原茶園ではお茶を使った商品を構想中らしく、これからの椎原茶園のお茶の可能性が広がっていくことも楽しみです。また私たち若い世代がこのような地元の農業体験に積極的に参加し、理解を深め、魅力を知って農業を盛り上げていくことが大切で、必要とされていると実感しました。

(レポート 食物栄養学科1年 山下真裕)