中村学園大学・中村学園大学短期大学部

世界中の多様な人々と異文化を 受容することのできる 人間になってほしい。
短期大学部 キャリア開発学科岩田 京子 教授
PROFILE早稲田大学教育学部卒業、ペンシルベニア州立大学修士課程、九州大学人間環境学府博士課程修了。博士(教育学)。福岡県内の短期大学勤務を経て、平成15年中村学園大学短期大学部に着任。平成19年度より家政経済科(現、キャリア開発学科)。平成28年度より国際交流委員長。前職と合わせて短大教員歴は24年。遅々として進まない断捨離が目下の悩み。
キャリア開発学科の学科主任であり、国際交流委員会の委員長も務める岩田京子教授に、国際交流・地域交流についてお話を伺いました。
先生の研究・教育活動について教えてください
 キャリア開発学科に関わらず、中村学園大学および短期大学部では、数年前から国際交流に特に力を入れており、海外への協定校への留学支援、学術交流を進めています。そのため、普段の授業でも英検・TOEIC対策に力を入れるなど、一人ひとりの学生の語学力や海外への興味を引き上げる指導をしています。
 国際交流協定校は年々増加しており、現在はアメリカ合衆国9校、中国9校、大韓民国8校、台湾4校など11カ国38校に広がっています。その広がりに合わせ、最近では学生の留学先もバラエティに富んだものになっているのが特徴です。
 私は国際交流委員会の委員長を務めていますが、ここ数年、国際交流に関するさまざまな取り組みを積極的に行ってきたことが功を奏し、海外留学にチャレンジする学生の数が飛躍的に伸びているのがうれしいですね。4、5年前は年間55名程度だったのに対し、現在では年間140名以上の学生が留学や海外研修に飛び立っています。
どんな留学プログラムを実施していますか?
 中村学園大学および短期大学部では、学生たちの留学を応援するためにさまざまなプログラムを用意しています。まず、学部での単位修得および実践活動を目指した「N-HALプログラム」(1年間留学)があります。「海外留学スカラーシップ」制度は、休学せずに半年〜1年間の留学をすることが出来ます。どちらも本学の協定校への留学ですので、学生も安心して学業や活動に集中できます。また、海外に興味のある学生のファーストステップに最適な韓国や台湾などアジアでの研修もあるので、少しずつステップアップしながらチャレンジすることも可能です。
 留学から帰ってきた学生たちは皆、たくましくなっています。若い学生たちはさまざまなことを吸収する力が優れているので、海外に行くと大きなものを得るのでしょう。だからこそ、留学するのなら若いうちが良いのです。
2019年度に協定を締結したフィンランドのトゥルク応用科学大学との調印式
グローバル・ローカル関係なく、大切なのは積極的に“交流”すること。
キャンパスの中で学ぶだけでなく、広い世界に飛び出して外でも思いっきり学んでほしい。
 キャンパス内でも、学生の語学力を伸ばす学習環境の整備を進めています。英語、中国語、韓国語のネイティブスピーカーと学生との交流ができる「語学カフェ」「ぐろーばる広場」の開催もその例です。将来的にはより多くの留学生を迎え、さらに国際交流を活発にしたいと思います。
協定校の学生との交流や体験プログラムがあり、初めての海外でも気軽に参加できる協定校短期研修。
今後の目標について教えてください
 ここは大学ですので、まずはキャンパスの中で思いっきり学んでもらうことが一番ですが、それだけでなく、大学の外にも飛び出して多くのことを得てほしいというのが私の願いです。その〝外〞というのは何も海外だけではありません。グローバルに活動することを学生たちに勧めていますが、同時に実践してほしいのが地域(=ローカル)での活動です。キャリア開発学科の学生たちには、在学中に1度は地域の活動に参加する経験をするよう指導しています。例えば、UR荒江団地の集会所で団地住民を対象としたイベント『消しゴムはんこで年賀状!大作戦2020』を開催して子どもや年配の方と交流を楽しんだり、「博多町屋ふるさと館」や櫛田神社などでのボランティアガイドをする「おもてなし研修」を通して、〝おもてなしの心〞を育む活動など、学生主体の地域貢献・交流活動を推進しています。
 地域交流イベントではさまざまな世代の方とふれ合うことができる、というのが大きな魅力です。多様な人々と出会い学ぶことは、人間関係や学びの原点。主体的、積極的にたくさんの人や文化とふれ合い、それらを受容できる人材、そして、将来地域の力になれる人材を育成していきたいと考えています。
ゼミ活動として、団地の高齢者と交流する多世代交流イベントを実施。お散歩や体操など、学生のアイデアが活かされます。