中村学園大学・中村学園大学短期大学部

第46回公開講座『新しい時代をいきる』 Bコースが開催されました

2019年11月12日
令和元年11月2日(土)、1号館10階大講義室にて公開講座Bコースが開催されました。本講座は、本学教員の専門領域における斬新で興味深い演題や生活に身近なテーマを取り上げ毎年開催しており、今年度は「新しい時代をいきる」をメインテーマに3日間、計5講座が開催されています。
 
 第1部では、児童幼児教育学科 吹氣 弘髙教授による「『感性』の耕しを!- 鑑賞・表現活動のある生活 -」が開講されました。まず、子どもを取り巻く現代の社会環境とこれから求められる力について説明され、「物事を感じ取り、気付く力としての感性が動いていなければテクニックや知識を増やしても知性が活かされることはない」と感性を育む重要性について述べられました。これからの社会の担い手となる子どもたちにとって、認知能力を高める教科以上に、豊かな将来を築くための感性など、非認知能力を育む図画工作教育の役割は大きく、子どもの発達段階に応じた表現世界を、応じてくれる大人が見守り受け止めることが、子どもたちが自己や他者を尊重する力を身に付ける上で重要であると話されました。それは大人における芸術鑑賞にも共通しており、自由な鑑賞活動は豊かな感性を培うために必要不可欠であると話されました。最後に、感性を耕す心のストレッチを通して、様々な物事に関心を持ち、自分の感性を磨くことの大切さを提言されました。
(レポート 栄養科学科4年 馬場裕子)
 
 
  第2部では、流通科学科 福沢健准教授による「初春令月、気淑風和(しょしゅんのれいげつにして、きよくかぜやわらぐ)―『令和』の出展と天平の『風流』―」が開講されました。まず年号の歴史について、中国の武帝が紀元前117年に定めた最初の年号である「元鼎(げんけん)」は、縁起の良いものやおめでたいことの出現である「祥瑞」をきっかけに定められたこと、日本の年号も初めは同じく祥瑞により名付けられていたが、桓武天皇即位で定められた「延暦」以降は中国の古典である四書五経を出典とするようになったそうです。なお、「令和」は、我が国の年号としてはじめて国書の『万葉集』から引用されたもので、「令和」の背景には、理想的な君主の治世によって、万物が調和し、平和が訪れることが予言される素晴らしい年号であるということです。「風流」とは天子の「徳」が人民にまで広がっている状態を意味し、天子が「徳」を流出することで、天地のバランスが整って、平和な世が到来すると考えられていました。「令和」とは、新天皇による治世が「風流」の世であることを祝福する年号です。以上のように、年号の歴史や、年号の意味等を読み解くことで、「令和」と「風流」について深く学ぶことができました。霜月祭も同時開催されていた中、多くの方が参加され、本講座で学んだ美しい和歌に感心し、他の年号の豆知識など興味深く耳を傾けている様子でした。

(レポート キャリア開発学科2年 宮原知瑛子)