「第51回公開講座~いろどりある人生を~ 」の対面講座(1日目)を開催しました
12月7日(土)、本学にて「第51回公開講座~いろどりある人生を~」が開催されました。
本講座は、本学教員の専門領域における斬新で興味深い演題や生活に身近なテーマを取り上げ、毎年開催しております。
今年度は「いろどりある人生を」をテーマに、オンライン講座2講座(10月15日~)と対面講座3講座を開催するとし、
この日は2つの対面講座が行われました。
【学生レポート】
〇日本の歌と西洋音楽の調べ
講師:教育学部 講師 久原 広幸
ピアノ伴奏:教育学部 助手 方𠀋 響子
ソプラノ独唱:幼児保育学科 助手 前田 りえ
西洋音楽の影響を受けて明治以降に発展した日本の歌についての説明を挟みながら、西洋音楽を含む計13曲のコンサート形式で行われました。
日本は、江戸時代(鎖国中)は西洋文化に一切触れていない時代であったため、明治以降の学校教育における音楽に悩んだそうです。
そこで、海外の曲に日本語をあてはめた「むすんでひらいて」や「ほたるのひかり」等が音楽の教科書に使われるようになったのが始まりでした。
その後、滝廉太郎や山田耕筰など西洋音楽の影響を受けた日本の歌が披露されました。個人的な印象としては、西洋音楽に比べてアップテンポになり、
現代の日本の音楽に近くなってきたと感じました。
大正時代では、軍事的な歌詞等が多かったため、子に悪影響を及ぼすということで唱歌に反感を持つ人々がおり、唱歌との差別化を図るために童謡が誕生し、
「からたちの花」や、「赤とんぼ」が作曲されたようです。その後も現代の音楽の曲調に徐々に近づき、終戦後は滝廉太郎らの曲やその他歌謡曲がラジオや
レコードで普及し、現代の音楽文化が形成されました。
講座は落ち着いた照明のコンサートホールのような雰囲気の中で行われ、久原先生の歌声の美しさに感動して涙を流している方もいました。
私自身言葉に表せないほど感動し、来年もまた見たいと思う講座でした。
〇要介護5義父の在宅介護体験記
講師:食物栄養学科 教授 森脇 千夏
「猫、りんご、電車。この単語を覚えておいてください。」
こちらの質問は、要介護レベル等介護認定を受けるため、短期記憶に問題がないか確認する認知記憶のテストの一部です。
講座はこのような受講者への投げかけに始まり、要介護に至るまでの具体的な流れや介護認定の後にどのようなサービス
(ケアマネージャーや介護給付等)を受けることが出来るかについて説明がありました。
介護施設の選び方には、➀家から比較的近いこと②病院の雰囲気③緊急時の対応状況④訪問診療の先生、ケアマネージャーの人柄
⑤コロナ禍での面会時の対応の5つのポイントがあり、なぜこれらのポイントが大切なのかについて説明がありました。
講義の後半では、「食事は好きなものを好きなだけ」と健康に良い食事を意識するよりもエネルギー不足にならないようにすることが
最優先であるとの説明がありました。食べないことによる喉と全身機能の低下によって、さらに食べられなくなってしまうという負の連鎖の
恐ろしさや、病気特有の性格の変化にも対応できることが説明され、病気だからといって自分の好きなものまで我慢して健康を意識することは、
かえって不健康であるという新しい視点に気づかされました。
受講者の中には身近に介護を必要としている方もいて、講座が終わった後も質問や共感する言葉が飛び交い、受講者の皆さんの介護に対する
知識と不安な気持ちを解消するとても有意義な時間になっていたようでした。
講座内容については以上です。
さて、皆さんは冒頭に記載した3つの単語を覚えていますか?
(レポート 栄養科学部 フード・マネジメント学科 4年 古賀 碧)