「第51回公開講座~いろどりある人生を~ 」の対面講座(2日目)を開催しました
12月21日(土)、本学にて「第51回公開講座~いろどりある人生を~」が開催されました。
本講座は、本学教員の専門領域における斬新で興味深い演題や生活に身近なテーマを取り上げ、毎年開催しています。
今年度は「いろどりある人生を」をテーマに、オンライン講座2講座(10月15日~)と対面講座3講座を開催するとし、この日は対面講座(2日目)が行われました。
(開催講座概要)
〇未来を切り拓くクリエイティブ経済と熊本の復興
講師:流通科学部 准教授 草野泰宏
熊本市は1877年の西南戦争、1889年の明治熊本地震、1945年の第二次世界大戦時の戦災、2016年の熊本地震からの復興をした都市です。
2016年からの熊本市の復興とまちづくりの事例から、福岡市の直近の動向や未来について言及されました。地域活性化や地域そのもののブランド化による住みたい都市の構築には、「クリエイティブ経済」の視点が欠かせないと主張されました。
「クリエイティブ経済」では、様々な新しいしごとを創り出す「クリエイター」が注目されています。
その中心に「クリエイティブ・コア(以下コア)」という最も創造性のある人たち、併せてその周辺に、経営・経済を回す仕組みを作る「クリエイティブ・プロフェッショナル(以下プロフェッショナル)」の存在が欠かせないことを述べられました。
熊本市は、城下町であり、その後軍用拠点の一つとなった歴史的背景から武士(行政)、商人、医療関係者の多いプロフェッショナル主導の都市になりました。
1987年-2014年にかけての、熊本城の東に位置し、上通商店街のすぐ脇道にある上乃裏地区と、熊本城の南に位置する旧町人地である河原町における、リノベーションという古い建物を活用した事例を紹介されました。
熊本市の事例では、2014年以後のシードマーケットや白川夜市といったマルシェとリノベーションをつなぐ取組に注目しています。
マルシェで週末起業のような形で力をつけつつ、将来はリノベーションされた建物への誘導を目指した取り組みです。
また、2010年からの北九州市小倉魚町サンロード商店街「メルカート三番街」のリノベーション事例について触れられました。
リノベーションというと、北九州方式が有名とのことでした。それは、入居者に払える家賃を事前にヒアリングする、入居者をリノベーションの前に決めてしまう等の仕組みでした。
熊本市と北九州の事例に共通するのは、クリエイターと呼ばれる人たちが、街を楽しい場所に変えていく原動力であることでした。
最後に、福岡市の事例について、裏天神や大名一帯に見られるクリエイターにとって大変魅力的な街があること、「ONE FUKUOKA BLDG」(地下2階から5階を商業ゾーン、6階7階には起業家や外資系企業のニーズに対応したワーキング・オフィス)がクリエイターを惹きつける場になるか、という視点で注目しているとのことでした。
受講者からは、
「クリエイターとプロフェッショナルが人を惹きつける仕組みをとても分かりやすく教えていただけました」
「都市再生のメカニズムが感じられ面白かった」
などといった声が聞かれ、新たな視点からの街づくりについて知ることができる、大変良い機会となりました。