中村学園大学・中村学園大学短期大学部

手嶋ゼミ「食べる磯焼け対策勉強会」 in 壱岐

2023年8月29日

近年、国内外の海で起きている「磯焼け問題」(海藻類を好んで食べるウニや魚などの植食動物の増加によって魚介類の産卵・育成の場であり海水を浄化する機能を持つ「藻場」が衰退する現象)についての学習と、現在は廃棄されることが多い漁獲された植食性魚類の廃棄を少しでも減らし有効に利用することによる藻場回復「食べる磯焼け対策」(おいしく食べることで漁業者の収入増や地域の活気を取り戻そう!)は手嶋ゼミが長年取り組んでいるテーマの一つです。本年度も年4月に磯焼け問題に取り組む専門家をゲストスピーカーにお迎えし、「食べる磯焼け対策 勉強会」を行いました。

2023年8月21日に、勉強会をきっかけに磯焼け問題に関心を持った学生3名が、豊かな漁場を有しながらも近年は磯焼け問題に悩まされている長崎県壱岐市を訪問し、課題や対策についてのヒアリング調査と「食べる磯焼け対策」実現に向けた可能性を模索するための市場調査、意見交換会を行いました。

はじめに、壱岐市水産課を訪問し、壱岐市が抱える「磯焼け」の課題や植食性魚類の活用、藻場回復へ向けた様々な取り組みについてお話をお聞きし、意見交換を行いました。
次に、郷ノ浦港にある食堂で植食性魚類のイスズミとアイゴを調理していただき、試食会を行いました。
午後からは二次離島である大島へ渡り、藻場造成の最前線である壱岐栽培センターを訪問し、施設内の見学と所長へのヒアリング調査を行いました。

調査に参加した学生からは「実際に現場を訪れたことで、磯焼け問題の深刻さ海の環境を守らなければならないという気持ちが強くなった。」「地元の方々にとっての“あたりまえ”がよそ者・若者の自分たちには新鮮で、そこに新たなチャンスがあるような気がした。」「磯焼けの現状を知らない人たちに関心を持ってもらうためにも、SNS等を使って積極的に発信していったらどうか。」といった声が聞かれました。
引き続き意見交換等を重ねながら、「私たちができる磯焼け対策」について考えていきたいと思います。