中村学園大学・中村学園大学短期大学部

都会の山、アクロスステップガーデンの実態と今後を学ぶ ―都会のビル緑化に至った経緯や維持管理―

2024年4月10日

4月3日(水)はあいにくの雨模様でしたが、持松ゼミの3年次生とともに、福岡市天神にある「アクロス福岡ステップガーデン」を訪問しました。
訪問の目的は、身近に感じる天神という地で、日常の風景となっている建物「アクロス福岡」にある“ステップガーデン”の実態を知り、30周年を迎えた建設の歴史や都市の緑化へのプロセス、維持管理の手法を学ぶというものでした。

前半は、アクロス福岡のステップガーデンを管理されているエイ・エフ・ビル管理株式会社の担当者様より、自然の山のように現在の姿を見せているステップガーデンの構造や維持管理方法、訪れる人の憩いの場となるための様々な工夫などについて詳しくご説明いただきました。
ご説明の中には、人工土壌を使用することによって、建物への荷重を軽減する工夫や、樹種の多様性、落葉の腐葉土化、排水や潅水の工夫による雨水の活用など、完全循環型システムで、ヒートアイランド現象の緩和効果も見られるという内容も含まれていました。

また、今回の私たちのような地元福岡の教育機関だけではなく、環境のまちづくりやビル緑化に注目する諸外国からも評価が高く多くの方々が見学に来られていることも知ることができました。

ご説明後の質疑応答の中で地震や火災など防災の面からもステップガーデンの果たす役割が高いこともご説明いただき、緊急時に適切に機能するよう定期的な点検や訓練が行われていることもお話しいただきました。

後半は、実際にステップガーデンを頂上から1階まで下りてみました。説明で聞いた実際がどのようになっているのかを自分の目で確認する機会となりました。
雨が降っていなければ、木漏れ日の中に春を感じることができたと思いますが、雨に霞む天神中央公園の緑がステップガーデンと一体化している景色を眼下に見ることができました。

春夏秋冬でまた別の姿を見せるステップガーデンに、また訪れてみたいという感想もあり、身近な街の見慣れた建物でも、多様な機能や役割を担っており、人々を惹きつける魅力にあふれていることなどに気づくことができたようでした。

新年度の授業が本格的に始動する前のゼミワークでしたが、学生の感想からは、身近なところに研究対象があるということや、気づきの大切さ、現場に赴き体験しなければ得ることができない貴重な経験も同時に学ぶことができたようでした。