≪長寿企業の事業継承の工夫とイノベーションについて学ぶ 八女の牛島製茶訪問・八女中央大茶園訪問≫
5月17日(金)に持松ゼミ3年生の11人で福岡県八女の長寿企業を訪問し、組織の歴史的変遷や事業継承のポイントなどについて学びました。訪問させていただいたのは創業103年を迎えた株式会社牛島製茶です。
本店をはじめ、第一工場である荒茶工場、第二工場である仕上げ工場、茶畑を見学させてもらい、お茶の生産、茶葉の製造、仕上げ、袋詰め、販売まで一貫して行っている現場を知ることができました。このように自社製造、産地直送を実践していることにより、おいしいお茶を適正価格で提供することができるということも学ぶことができました。その中で、4代目経営者の牛島啓太氏に創業から今日までの歴史、製法の特徴でもある深蒸し茶の導入から消費者に浸透していくまでのご苦労や試行錯誤についてもお話しいただきました。伝統と変革をどのようにバランスしながら実践されていったかなど学びを得ることができました。
学生からは、「実際に経営をされている方の話を聞くことができ、長寿企業でも変えていかなければならないことがあることがあり、人気であり続けるためには、その時代に合わせた対策が必要であることを学んだ」という感想や、「時代の変化によってお茶の味などを変化させていることや、先手必勝という考えのもとで、時代の先取りをして抹茶を使ったカフェをオープンするなど、先を見据える能力があるからこそ長い歴史が残る企業になると思った」という感想が得られました。
その後、八女中央大茶園を訪問しました。お茶の新緑が美しい大茶園では、中小のお茶農家が組合を形成し、人材不足や高齢化の課題、高コスト化する機械設備の共同利活用など、互いにサポートし合いながら茶葉の生産を続けていけるという実態がありました。
また、学生は急須でお茶を淹れる経験が少ないということであったため、お茶の深みや本当のおいしさを味わってもらうよう、お茶の入れ方のレクチャーを受け、その後、学生自らお茶入れ体験を実践してみて、そのおいしさや奥深さを味わう機会を得ました。
600年以上歴史のある八女茶は、日本茶の中の地域ブランドとして確たる地位を誇っています。
その地域ブランドである八女茶を各々の企業や農家、組合が適切なタイミングでイノベーションを起こしながら、様々な形で事業を継承し、私たち消費者の元へおいしさを安定的に供給し続けていることを改めて感じる機会となりました。