徐ゼミの食の流通を現場で学ぶアクティブラーニング
11月8日、徐ゼミは福岡市のベジフルスタジアム(福岡市中央卸売青果市場)、佐賀県の唐津うまかもん市場(農産物直売所)、糸島市のふくふくの里(農産物直売所)、そして玄海国定公園鏡山展望台を訪問し、食の流通の仕組みを学ぶゼミ活動を行いました。以下、学生のレポートです。
今回、福岡県内のベジフルスタジアム、うまかもん市場、玄海国定公園鏡山展望台、そしてふくふくの里を訪問し、青果物や地域産品の流通の現場を見学しました。これらの施設は、市場流通と市場外流通という異なる仕組みを通じて、地域の生産物がどのように消費者へ届けられているかを理解する上で非常に有意義な機会になりました。
まず、ベジフルスタジアムでは、青果の競りを実際に見学することができました。福岡市中央卸売市場は、全国から集まる青果物を仲卸業者や小売業者に販売する重要な拠点であり、まさに市場流通の中心的役割を担っています。競りの現場では、仲卸業者が品質や量、需要を瞬時に判断しながら価格を決定しており、そのスピード感と正確さに圧倒されました。市場流通は、生産者と消費者の間に卸売業者や仲卸業者といった中間主体を介在させることで、商品の品質・価格の安定化と取引の公平性を確保する仕組みであることを理解できました。また、市場を通すことで、多様な商品が安定的に供給される点も大きな強みであると感じました。
一方で、うまかもん市場やふくふくの里では、生産者が直接販売を行う市場外流通の現場を見学しました。これらの直売所では、生産者が自ら栽培した農産物や加工品を、仲介業者を介さずに消費者へ販売していました。こうした仕組みでは、生産者と消費者が直接顔を合わせ、商品の魅力や生産へのこだわりを伝えることができるため、信頼関係の構築に繋がっていると感じました。また、中間コストが削減されることにより、生産者の収益が向上し、消費者も新鮮な商品を手頃な価格で購入できるというメリットもあります。どちらも、地域コミュニティの活性化や地産地消の推進にも大きく寄与している点が印象的でした。さらに、玄海国定公園の鏡山展望台からは、唐津湾や玄界灘の豊かな自然を一望することができ、この自然環境が、地域の農業や漁業の基盤となっていることを実感しました。自然資源が豊かであることが、高品質な農産物や海産物の生産につながり、消費者へ届けられているんだと改めて感じました。
今回の見学を通して、市場流通と市場外流通は互いに補完し合う関係にあることを理解しました。中央卸売市場のような市場流通は、全国規模での安定供給や価格調整の役割を果たす一方で、直売所などの市場外流通は、地域の個性を活かし、生産者と消費者の距離を縮める機能を持っています。今後は、情報通信技術や物流システムの発展によって、これら二つの流通形態がより連携し、効率的で持続可能な食の流通が実現していくことが期待されています。
私たちが日常的に手にする食品の背後には、多くの人々の努力と仕組みが存在しています。今回の体験を通じて、食の流通の大切さを改めて実感するとともに、地域の生産者や自然環境を尊重し、持続可能な消費のあり方を考える意識を持つことの重要性を学ぶことができた、非常に有意義な機会になりました。
流通科学部2年 田原 葉月
