中村学園大学・中村学園大学短期大学部

「食品ビジネス戦略論」株式会社如水庵 森社長による講義

2024年5月28日

2024年5月24日(金)、「食品ビジネス戦略論」の授業において、株式会社如水庵の社長、森正俊様をお迎えしました。この授業は、1年次前学期の専門科目として開講されており、食品ビジネスの最前線で活躍する専門家から直接学ぶことを目的としています。新入生に対し、食品産業の現状と課題、そして解決策を自ら考える力を養うことを目指しています。

講義では、和菓子市場の現状や株式会社如水庵の歴史、そして近年の取り組みについてお話いただきました。株式会社如水庵は、1840年以前に福岡で創業された老舗和菓子屋であり、「筑紫もち」や「季節のフルーツ大福」、「博多とっとーと。」など、福岡を代表する和菓子を提供しています。

森社長は、和菓子市場の規模や如水庵のブランド戦略についても言及されました。和菓子市場は、チョコレート菓子やスナック菓子に次ぐ規模を誇り、学生たちはその規模に驚いていました。さらに、福岡県民に馴染み深いCMや、生産者の映像を使ったPR戦略についても説明があり、人と人とのつながりを重視した和菓子作りの理念を強調されました。

2020年、社長就任と同時に始まったコロナ禍には「ピンチをチャンスに変える、コロナ禍こそ成長の好機」と前向きに捉え、数多くのプロジェクトを推進しました。特にDX推進では、AIを用いた在庫管理やビッグデータを活用したマーケティングなどを導入し、業務の効率化を図ると共に、職人による手仕事や顧客対応といった人間ならではの価値を重視する取り組みを紹介しました。
コロナ禍により売上がコロナ前の80%減少しましたが、様々な取り組みの結果、現在ではコロナ前を超える業績を達成しています。

また、店舗で勤務するスタッフの意識改革として、「CS」(コンシェルジュ&セールスパーソン・Customer Satisfaction)という名称を導入し、より高いサービス品質を目指しています。本学フード・マネジメント学科の卒業生も多く働いており、如水庵だけでなく、商業施設を代表してロールプレイング大会に参加する程活躍しているお話も紹介頂きました。

質疑応答では、学生から多くの質問が寄せられました。伝統を守りつつどのように革新を進めているのか、商品開発の際のペルソナ設定についてなど、具体的な内容に対する質問がありました。森社長に、自身の経歴やお菓子作りでの大切にしている観点、会社づくりについて語っていただき、学生たちにとって大変貴重な学びの場となりました。

この授業では今後も、飲料メーカーや食品卸、外食など様々な食品業界で活躍する企業の講師を迎える予定です。産業界との連携を通じて、多角的な視点から食品ビジネスを学び、自らのキャリア形成に役立て、社会に貢献できる人材の育成を続けてまいります。