国内フードビジネス研修Ⅱ:若波酒造合名会社様にて日本酒の生産工程を学びました
「国内フードビジネス研修Ⅱ」では、食の生産・加工・流通・販売の各工程における、最先端の工程管理の実態について学びます。生産の現地にて担当者から直接レクチャーをいただくとともに、生産工程の現場を直に見る機会を設け、食品の生産から消費に至るプロセスの理解を深める演習科目です。
8月8日、フード・マネジメント学科の学生34名が、福岡県大川市にある若波酒造合名会社様を訪問し、八代目杜氏(製造統括) の今村友香様に日本酒の生産工程について講義をしていただきました。以下、学生のレポートです。
<学生レポート>
私が杜氏の今村友香様のお話を聞いて一番印象に残っていることは、絶対に揺るがすことのできない目標を立てて、それに向かってがむしゃらに努力されていたことです。女人禁制とされていた酒造りに携わるために、春・夏は広島の酒類総合研究所で学び、秋になると大川まで戻って出荷を手伝っていて、大変な努力をされたのだろうと思いました。今村様が現在、お酒造りに関われているのは社長の娘だからと優遇されたわけではなく、努力された結果です。何か成し遂げたい目標に向かってぶれずに努力し続けることは決して簡単なことではないと思います。その努力をしたうえで得られる結果はとても価値あるものだと思いました。現在、若波酒造様では酒造りに多くの女性が活躍されています。これも今村様が男性と同じように動けるように道具を作り、環境を整えたからだと思います。
日本酒は製造する過程で廃棄物が出ないということにも驚きました。「あまおう」の日本酒を作ったときに出る色の悪いいちごはジャムや紅茶に加工されて、販売されています。これは酒屋さんにのみ卸されており、お客様がなぜジャムが酒屋さんにあるのか尋ねられた時に背景をお伝えすることで、「あまおう」の日本酒を知ってもらえるという効果があります。このような戦略でより多くの人に商品を知ってもらい、買っていただけるということを学ぶことができました。
大川の家具屋さんに手伝ってもらい、イベントを開催したり、一緒に商品を開発していたりして、これまで同業者での商品開発しか聞いたことがありませんでしたが、異業種との組み合わせも面白いと思いました。商品によって大川の魅力を発信したり、九州各地のお酒を造ることで九州の特産物について知ってもらえたりするので、私も将来商品開発に携わるようになったらそのような地域の魅力を発信できるような商品を作っていきたいと思いました。
講義のあと、若波酒造様の甘酒を試飲させていただきました。私はこれまで甘酒を一度も飲んだことがなかったのですが、お米の甘味が感じられるような味わいでとても飲みやすかったです。私は未成年だったのでお酒を飲むことはできなかったのですが、みんなは「あまおう」の日本酒がとても美味しいと言っていました。私も20歳になったら若波酒造様の日本酒を飲んでみたいです。
フード・マネジメント学科2年 中村優芽