国内フードビジネス研修Ⅰ:やまやファクトリーテラスにて辛子明太子の製造について学びました
フード・マネジメント学科では、8月26日より集中講義「国内フードビジネス研修Ⅰ」が開講しました。これは、醤油や味噌、お酢といった日本古来の調味料から地域特産物を活かした伝統料理を含む「和食」を中心とした日本の食文化について、生産、加工、流通、販売の各分野からゲストスピーカーを招くとともに実際の製造現場を訪問しながら学んでいく授業です。フード・マネジメント学科1年の希望者40名が受講しました。
8月27日、福岡県糟屋郡篠栗町にあるやまやファクトリーテラスを訪問しました。以下、受講学生のレポートです。
<学生レポート>
今回、やまやさんのお話を聞いて、一番印象に残っていることは、明太子を熟成させるには、168時間もの時間が必要であるということです。辛いだけではなく、こくとうま味がある本当においしい辛子明太子をつくりたい、という想いを胸に創業者老夫婦の味の追求が始まりました。各地を巡って素材を吟味し試行錯誤を繰り返す中で168時間という熟成期間とオリジナルの「匠のたれ」にたどり着いたそうです。「匠のたれ」とは、やまやの辛子明太子の味の決め手であり、漬け込み液を作るのに4つの選び抜かれた素材を使用しています。
1つ目は唐辛子です。舌にのせた瞬間のピリッと心地よい刺激が、後まで残らない「先辛ブレンド」を使用しています。2つ目は柚子です。さわやかな青柚子と熟した黄柚子をブレンドした上品で華やかな柚子こしょうの風味が、辛子明太子に華を添えます。3つ目は昆布です。厳しい自然環境が育てた北海道羅臼産の昆布が、まろやかで濃厚な旨みを引き出し、辛子明太子に味の奥行きを与えます。4つ目は酒です。辛口ながらも甘みを含む、キレのある味のお酒にこだわり、水を一滴も使わずに仕込んでいます。
やまやの辛子明太子は漬けるたびに、 必ず前に使った「匠のたれ」を継ぎ足しているそうです。素材一つ一つにこだわりを感じこれによっておいしい明太子が作られているのだと実感しました。
やまやの 明太子 が できるまでの工程は、まず原卵調達から始まります。オホーツク海などのスケトウダラ漁にやまやスタッフが赴き、辛子明太子に最適な魚卵を仕入れます。そして、原卵を衛生管理、温度管理を徹底した工場で冷凍状態の原卵の鮮度を損なわないように解凍し、解凍した原卵を塩漬けにします。そして塩漬けにした「たらこ」を辛子明太子に仕上げていきます。「匠のたれ」に漬け込み、熟成、液きりのあと選別、整形、軽量後、チェックを経て完成します。その際、お客さんへ安全・安心な商品をご提供するため、製造工場にて、働く従業員への定期的な教育、抜き打ちの工程検査などを行っているそうです。従業員の丁寧なチェックのおかげで安心して食べることができていることに感謝したいと思いました。
フード・マネジメント学科1年 冨岡桃香