中村学園大学・中村学園大学短期大学部

「国内フードビジネス研修Ⅰ」星野製茶園様を訪問しました

2025年8月27日

「国内フードビジネス研修Ⅰ」は、日本の食文化を支える調味料や伝統料理の現場を訪問するフィールドワークの演習科目です。生産、加工、流通、販売の現場での体験を通じて、食産業の課題や、新しい付加価値について理解を深めます。

以下は、星野製茶園様(福岡県八女市)を訪問した学生のレポートです。

今回の研修を通して、抹茶をはじめとする日本茶の製造工程や品質の違いについて、多くのことを学ぶことができました。

特に印象に残ったのは、石臼で引く抹茶についてのお話です。現在、全体の抹茶のうち、石臼で引かれているものはわずか2%に過ぎないということに驚きました。抹茶の粒子の大きさはおよそ5〜6マイクロメートルであり、非常に細かく挽かれています。石臼では1時間にわずか40グラムしか挽くことができず、機械で粉砕する方法に比べると生産効率は劣りますが、その分、香りや味わいに優れた上質な抹茶が得られることが分かりました。

かぶせ茶についても理解を深めることができました。かぶせ茶は、藁などで日光を遮る「遮光栽培」により育てられるお茶で、わずかな光を与えることでアミノ酸が増え、カテキンが減少し、鮮やかな緑色と上品な旨味が生まれるそうです。この手間のかかる栽培方法により、玉露や伝統本玉露といった高級茶が作られているのだとわかりました。お茶の品質には「温度・湿度・光・酸素・化学物質(移り香)」などの環境要因が大きく影響しますが星野村ではこの条件を満たしているうえに寒暖差があるため、生産量は少ないもののより質の高いお茶が育てられることがわかりました。

抹茶に関する問題点として、現在流通している抹茶商品の約半分は、実際には抹茶ではない粉末茶であるという事実を教えていただきました。特に抹茶スイーツにおいては、本物の抹茶の味が感じられないものが多く、それが抹茶本来の価値を下げていると繰り返し指摘されていたことが印象的でした。私はもともと抹茶味のお菓子が好きだったため、この話はとても驚きでした。研修の帰りにスーパーで抹茶関連商品を見てみると、実際に着色料などが添加されたものが多く、改めて本来の抹茶との違いを実感しました。

今回訪れた星野製茶園でも、グリーンティーや玉露まんじゅうといった加工品が販売されており、初めに飲んだ「星のグリーンティー」や「星の玉露まんじゅう」はとても美味しかったです。冬には「抹茶の生チョコ」も製造されているとのことで、スーパーでよく見かける抹茶チョコレートとどのように違うのか、ぜひ食べてみたいと思いました。

フード・マネジメント学科1年 今山 心晴