中村学園大学・中村学園大学短期大学部

「国内フードビジネス研修Ⅰ」一番食品株式会社様を訪問しました

2025年8月28日

「国内フードビジネス研修Ⅰ」は、日本の食文化を支える調味料や伝統料理の現場を訪問するフィールドワークの演習科目です。生産、加工、流通、販売の現場での体験を通じて、食産業の課題や、新しい付加価値について理解を深めます。

以下は、一番食品株式会社様を訪問した学生のレポートです。

本日の研修で一番印象に残っているのは、一番食品株式会社様の講義とスープを作る工程の工場見学及び部署説明です。

初めに企業について講義があり、その中で興味深い話しがいくつかありました。この工場に関するお話しですが、福岡県以外に茨城県に工場があります。茨城に工場がある理由は、阪神淡路大震災で商品の輸送が出来なかったことがきっかけだと聞いた時、お客様思いの会社であることがよく分かりました。自社ブランドを主力商品として販売せず、業務用調味料の総合メーカーとしてBtoBビジネスをしているとのことです。同社は、依頼人の領域を浸さず、味の仕掛け人として味づくりのスペシャリストに徹しておられます。依頼主のオーダーメイドで味を作り、企画や味の開発や味付けの提案をするため国内6箇所に営業所を有し、年間6,000件もの試作品を作り、うち1割が新商品として販売されたりと、ここでしか聞くことのできない話ばかりでした。

次の部署説明では、開発・研究部に行きました。この部署では、➀商品づくり、➁商品の分析、➂商品の価格設定、➃食品表示の4つのことをされていました。➀商品づくりでは、月30件以上の商品を作っていて、その全てをデータ保存しているそうです。➁商品分析では、味をグラフ化してイメージしやすくする味の見える化、安全と美味しさとを両立させる殺菌方法の考案、➂価格設定では、輸送コスト、保存方法、原材料費などから価格を決め、➃食品表示では、賞味期限を設定したりと私が思っていること以外にもいろいろな作業をしていることに驚きました。

次にスープを作る工程を見学しました。消費量の多いものはタンクで貯蔵し、使いたい量だけ使えるように管が通っているそうです。ブレンドしてスープを作っているため他の企業より多くの種類を作ることができます。
原材料を購入するため、価格では他社に勝てないものの、特定の原材料に縛られず自由に選べることが強みです。また、手作業で製造しているため、どんな商品にも柔軟に対応できる点で、他社にも負けないと話されていました。
作ったスープを梱包する時も少量は手作業で入れ、ラベルも手作業で貼るそうです。このように他の企業に勝つための様々な工夫があり、とても自分のためになる研修でした。今後の就活の候補としても考えようと思いました。

フード・マネジメント学科1年 古川 純平