「国内フードビジネス研修Ⅰ」博多はねや総本家様を訪問しました
「国内フードビジネス研修Ⅰ」は、日本の食文化を支える調味料や伝統料理の現場を訪問するフィールドワークの演習科目です。生産、加工、流通、販売の現場での体験を通じて、食産業の課題や、新しい付加価値について理解を深めます。
以下は、博多はねや総本家様を訪問した学生のレポートです。
博多はねや総本家さんを訪問して明太子づくりを体験させていただきました。
福岡の名物「辛子明太子」は、もともと朝鮮半島の「明卵漬け(ミョンランジョッ)」を起源としています。明卵とはスケトウダラ(朝鮮語で「ミョンテ」)の卵を意味し、古くから塩漬けにして食べられていました。戦後、釜山出身の川原俊夫(「ふくや」創業者)が福岡に移り住み、この食文化を日本人の口に合うように工夫しました。1949年に唐辛子や調味料を加えた「辛子明太子」を商品化したのが始まりで、そこから博多の味として全国に広がりました。
作り方は、まずスケトウダラの卵巣を塩漬けにして下処理を行い、余分な水分や臭みを取り除きます。その後、唐辛子やはねや総本家さん独自のだし、酒、昆布、ゆずの皮などを調味液に漬け込み、数日から五日間ほど熟成させることで、旨味と辛みが調和した独特の味わいが生まれます。
このように、辛子明太子は朝鮮半島の食文化を受け継ぎつつ博多で独自に発展したものであり、現在では福岡を代表する名産として日本の人々だけでなく海外の人々にも広く親しまれております。
私は、明太子づくりは初めてで本当に楽しかったです。明太子が韓国にあることは知っていましたが、まさか韓国の「ミョンランジョッ」が博多の明太子の元になっていると知ってとても驚きました。また、明太子の親であるスケトウダラは寒い地方に生息していてなぜ博多で発展していったのか上の理由を聞いて納得しました。
私が普段食べているものの起源を知ることで食に関する感性をもっと豊かにできると思いました。これからもこのような経験をたくさん積んでいきたいと思います。
フード・マネジメント学科1年 土田 留美加