中村学園大学・中村学園大学短期大学部

特別講義:食のプロフェッショナルによる6次産業化支援

2025年11月11日

6次産業化を事業として持続的に成功させるためには、フード・マネジメント学科での食に関する幅広い学びや、取得する専門的な資格を実践的に活かすことが不可欠です。
本日の特別講師は、FOODYELL代表の藤本恵子氏でした。藤本代表は、大学で「食」を学ばれた後、三島食品、三菱食品、国分グループ、地域商社やまぐちといった著名な食品製造・流通企業での豊富な経験を経て、2021年にFOODYELLを設立されました。現在は、個人事業主として、商品開発・品質管理のアドバイザー業務や、6次産業化プランナーとして幅広くご活躍されています。
食品業界各社で専門的な業務を担う中で、藤本代表は以下の多岐にわたる資格を取得し、実務で活用されています。上級食品表示診断士、一級惣菜管理士、HACCP上級コーディネーター、マーケティング管理士、食育インストラクター、フードアナリスト(2級)、管理栄養士など。藤本代表は、食の知識と実践力を見事に融合させた、食のプロフェッショナルの素晴らしいロールモデルです。

【受講した学生の感想】

6次産業化を進めるうえで必要な知識や考え方を具体的に学ぶことができました。
特に印象に残ったのは、商品開発や販路拡大の裏には、原料の安定供給や品質管理、価格設定など、さまざまな課題があるという点です。私はこれまで、商品づくりは「おいしいものを作ること」が一番大事だと思っていましたが、実際にはターゲットの設定や流通コスト、衛生面の管理など、幅広い視点が求められることを知ることができました。
また、藤本様が話されていた「ペルソナを意識した商品開発」という言葉も心に残りました。誰にどんな場面で食べてほしいかを明確にすることが、売れる商品づくりにつながるという考え方にとても納得しました。
フード・マネジメント学科で学んでいる食品衛生やマーケティングの知識、取得を目指している食品表示検定や取得したHACCP管理者などの資格を今後に生かし、安心・安全で信頼される食品を届けられる社会人になりたいと思いました。実際に今学んでいることが将来に活かせていると聞くことができ、とてもうれしかったです。
将来は、地域の特産品や素材を活かして、新しい価値を生み出すような商品開発やマーケティングに携わりたいです。そのためにも、授業や実習を通して現場の視点を学び、消費者のニーズを的確に捉えられる力を身につけたいと思いました。今日の講義で学んだことを糧に、食を通して地域や社会に貢献できる人材を目指していきたいです。

フード・マネジメント学科3年 川嶋 睦実

 

売れる商品をつくるためには、知識や経験だけでなく、明確なターゲット設定と論理的な考え方が必要だと感じました。藤本様は、「売れない商品はターゲットが不明確である」と話されていて、年齢や性別といった大まかな層ではなく、ペルソナを設定して「誰が・どんな場面で食べるのか」を具体的に考えることが大切だと教えてくださいました。さらに、商品の価値は味や品質だけでなく、パッケージデザインや売り方、価格設定など多くの要素が関係しているという説明がとても分かりやすかったです。
また、商品開発から販路拡大、品質管理、表示まで幅広い知識を身につけ、正しい情報に基づいて判断されている姿勢がとてもすごいなと感じました。転職を重ねながら「自分に足りないスキル」を基準に新しい分野へ挑戦し、学びを行動に移してこられたお話が自分の中ですごく姿勢として良いなと思い、私も常に学び続ける社会人でありたいと感じました。
私は卒業後、EC販売の分野に進みたいと考えていますが、今学んできている分野とは少し異なるし、変化の激しい業界だからこそ、基礎となる正しい知識を学び、常に新しいことを学び続ける姿勢が必要だと思います。藤本様のように、自ら考え、行動し、学びを形にできる社会人を目指していきたいです。

フード・マネジメント学科3年 田中 小春