「ジュニア競泳選手を対象とした栄養科学セミナー」を開催しました
11月12日、本学7号館にて、「ジュニア競泳選手を対象とした栄養科学セミナー」を開催しました。
(株)イトマンスポーツスクールにて競泳に励む中高生選手、小学生選手と、その保護者のたくさんの参加がありました。
栄養科学部栄養科学科の熊原秀晃教授と共同研究者の同学科大和孝子教授は、(株)イトマンスポーツスクールと共同研究契約を締結し、2014年から当スイミングスクールで、身体づくりや競技でより成果が出せる食事の摂り方について研究調査を続けています。
熊原研究室では、ゼミ生たちが参加して8月に約200人の選手を対象にした食事調査を実施。ゼミ生が選手のもとに訪問しての聞き取り調査も行い、選手一人ひとりの栄養状態を把握しました。
選手、保護者へのアンケート回答では、どの選手層でも「バランスのよい食事」「疲労回復のための食事」への関心が高く、熊原教授は、「毎日の練習で『疲れ』を実感しているのが見えてきた」といいます。
今回のセミナーは、この「疲労回復」(リカバリー)に着目し、「『食』でリカバリーしよう〜トレーニングの効果アップのために〜」と題し、講義と演習を実施しました。リカバリーに効果的な食事とそのタイミングを説明のほか、食事調査のフィードバックも行いました。フィードバックには、データ分析のほか、ゼミ生たちによる食事に関するコメントを記載しています。
講師を務めたのは、熊原秀晃教授のほか、大和孝子教授、栄養科学研究科博士後期課程の西村貴子さん(管理栄養士・公認スポーツ栄養士)です。演習には、熊原研究室のゼミ生と大学院生が入り、選手たちの学びをサポートしました。
「疲れを感じたらお菓子を食べることが多かった」という生徒(中高生)は、セミナーを受けて「普段の食事がとても大切だとわかった。調査結果から自分に足りないものを知ったので、これからはいろんな栄養を食事からしっかり摂りたい」と感想を聞かせてくれました。
セミナー後には保護者の方が講師へ質問をされる姿も見られ、栄養面で選手を応援したいという様子がうかがえました。
今回の調査を通して、ゼミ生は「スクールの選手たちは、全体的に食事や栄養に対する意識が高くて驚いた」といいます。演習中は選手から積極的な質問もあり、栄養の知識が社会に必要とされていると実感したようです。また、トップアスリートを目指す選手たちに、適切な栄養状態・食生活のアドバイスを実践できたことは、管理栄養士を目指すゼミ生たちにとって大きな経験となりました。
今後、ゼミ生の多くは、それぞれの研究にこの調査を役立てていきます。調査にご協力いただいいた(株)イトマンスポーツスクールの皆様、ご参加いただいた選手、保護者の皆様に厚く御礼申し上げます。