中村学園大学・中村学園大学短期大学部

農林水産省九州農政局 江頭寿昭様による講義を開催しました

2025年11月4日

10/31(金)、本学栄養科学科1年生を対象とした授業「環境と健康」において、農林水産省九州農政局 持続的食料システム戦略推進官の江頭寿昭様をお迎えし、講義を開催しました。

本学は昨年、九州農政局と九州の食産業(農林水産業及び食品産業)の発展と食産業に関する人材育成及び学術研究の発展に寄与することを目的とした包括的連携協定を締結しました。九州の農業が抱える課題や取り組みなどについて、講義を通じた学生の教育や食産業に関する人材育成、および学術研究における調査研究への参加などが期待されています。

講義では「みどりの食料システム戦略について」をテーマに、戦略の内容や国の取り組みについて紹介されました。「みどりの食料システム戦略」とは、将来の世代が安定的に食料を生産・確保できるように、生産者だけでなく消費者をはじめとする食料に関わるすべての人々が連携し、CO₂削減など環境にやさしく、かつ生産性の高い農林水産業への変革を進めていこうとする取り組みです。この戦略では、「食料・農林水産業の生産力向上と持続性の両立をイノベーションで実現する」ことが掲げられています。農林水産業が気候変動の影響を受けやすい産業であることを踏まえ、環境との調和を図りながら食料の安定供給を確保する必要性があることが示されました。さらに、国の具体的な取り組みとして、将来世代への理解促進活動、食育の推進、有機農業の拡大、農産物の環境負荷低減を「見える化」する「みえるらべる」制度の普及など、多様な施策についても詳しくご紹介いただきました。

講義の最後には、「みどりの食料システム戦略」は生産者だけでなく、消費者を含むすべての人々が協力しながら、環境にやさしく生産性の高い農林水産業への転換を進めていく取り組みであり、若い世代がその中心的な役割を担うことの重要性が強調されました。江頭様からは「皆さん一人ひとりが消費者としてできることから始めてほしい」とのメッセージが伝えられ、学生たちは食と環境の未来について深く考える機会となりました。

江頭様のお話を通じて学生たちは、農林水産業の現状や将来への課題、そして私たち一人ひとりが果たすべき役割について理解を深める貴重な時間を過ごしました。