教えてくれたのは

福岡大学体育学研究科体育学専攻修了、体育学修士。2011年4月より現職。研究分野は、体育科教育学、体育学、身体教育学。本学の授業では、「体育科教育法Ⅰ」、「体育科教育法Ⅱ」、「生涯スポーツ論」等担当。2012年より、中村学園大学ほか、学生自主運営のボランティア『カンボジア教育支援プロジェクト』における活動を指導し、体育を中心にカンボジアの教育制度の確立を支援している。
- 広い意味で人生を豊かにしてくれる文化活動です。
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スポーツという言葉は娯楽や気晴らし、本業から解き放たれる、遊びといった意味を持つラテン語「ディスポルターレ」が語源で、本来は楽しむことが目的。 このように日常の中にある身近な楽しみを”スポーツ“と広義的に捉えれば、その身近な生活に深く根差した活動そのものが「スポーツ文化」。しかしどうしても「競争・競い合い=スポーツ」と捉えがちです。サッカーの試合に出る家族を応援することも、ホークスの試合運びについてまるで監督かのように議論することもスポーツ文化を楽しんでいることになります。
- 他者と関わり、さまざまな思いを共有し豊かにつながることです。
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高め合うライバル、楽しみあえる仲間がいるからさらに修練しようと思うし、好きな選手に興味を持ってその選手の生き様を知ろうとしたり応援したいと思う。このようにスポーツには他者との関わりが必ず存在します。ピョンチャン冬季オリンピックの際スピードスケートの小平奈緒選手と韓国のイ・サンファ選手もお互いを認め、高め合いながら勝ち負けを超えた深い友情を育みました。スポーツ文化は現代の希薄になった人間関係を再び紡ぐ力を持っているといえるでしょう。
- 見る、読む、支える、話すなどいろんな楽しみ方があります。
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自分がプレイすること以外にも、様々な参加の仕方がありますよね。球場やグラウンドへ足を運んでの観戦やテレビ観戦、地域のクラブや子ども会でのコーチ、ボランティアとして大会を支える、好きな選手の自叙伝やスポーツニュースを読むなどさまざま。「大谷選手の二刀流、常識を超えたね!」など感動を人と共有することも楽しみ方の一つ。「プレイ」するだけではない様々な関わり方を自らも創り出してほしいですね。
- スポーツが映し出す社会問題を自分事として考えよう。
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国際大会にトランスジェンダーの選手が出場したり、黒人殺害事件を背景にオリンピック選手が抗議行動をとったり、特別枠でプールのない国から海で練習してきた選手など、スポーツの場面には性の多様性や人種差別、貧困など社会問題を目の当たりにすることがあります。それらを自分事として捉えて、考えるきっかけにしてください。あなたの周りにも、困っている人がいるかもしれません。自ら声をあげにくい立場の人に手を差し伸べる社会でありたいですね。