教えてくれたのは

大学院では中国の対外経済政策と東アジア地域協力をテーマに研究。省庁において日本の外交に関わる実務に従事した後、2022年3月まで、自治体のシンクタンクにおいて、女性人材の活用や柔軟な働き方(テレワーク)等をテーマに都市政策に関する調査研究に従事。同4月より現職。「経済学」、「商品開発」、「地域経済概論」、「国際文化論」等を担当。人材育成における産官学連携の活用に着目して、教育・研究活動を行っている。
- 身近な地域において、さまざまな組織や個人が多様な形でつながり、互いに不足している部分を補い合いながら協力し、共通の目標を達成していく関係性だと捉えています。
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「地域」や「地域連携」という言葉の意味は文脈によって異なります。たとえば、国際経済の分野では、各国間や、一国に止まらない複数国家間、国レベルに止まらない広域間の経済連携を指す場合もあります。
私たちにとって最も身近な地域は、学生が通学する学校、住まいや職場があるような「まち」でしょう。どのような文脈であれ、共通するのは、人や組織が知識や技術を持ち寄り、互いに補完し合いながら、新しい価値を創造したり、地域課題を解決したりする協働の関係が築かれていることです。いま、私が教育・研究活動に取り組む中で着目しているのが、民間企業、自治体、大学などが連携する「産官学連携」です。住民同士の交流や、私たち一人ひとりが地域と関わることも、広い意味での地域連携と言えるでしょう。
- 医療・介護・福祉、防災、地域経済などの分野で多く行われています。
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身近な地域に目を向けると、医療・介護・福祉分野では、地域包括ケアシステムが整備されており、たとえば認知症の方が行方不明になった際に、警察や地域住民が協力して捜索する「見守りネットワーク」などの取り組みが行われています。
また、国内における自然災害の頻発を背景に、防災面で地域の力を結集し、安全・安心を確保しようとする動きも全国的に活発化しています。さらに、産官学連携による新技術の研究開発や新事業の創出、新製品の開発など、地域経済の活性化につながる取り組みも数多く見られます。
- 近年、「地域に開かれ、地域とともにある大学」を目指す動きが広がっています。
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大学は知の拠点として、教育・研究の成果や知的財産を地域に還元する役割をますます担うようになってきています。本学でも、大学が企業と連携し、学生の自由な発想を活かして商品開発を行い、実際に商品が店頭に並ぶといった事例が沢山あります。さらに、学生が地域の高齢者を支援したり、ボランティア活動に参加したりするなど、日常的な関わりを通じて地域に貢献することも、意義ある地域連携の一つといえるでしょう。
- 本学科では、今年度から地域社会と連携したカリキュラム「キャリアチャレンジ」がスタートしました。
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若い人が多く活気のある福岡のまちでは、各大学が、質の高い教育プログラムの提供による人材育成、生涯学習やリカレント教育の推進などの活動を展開しています。
キャリア開発学科では、今年度から1年生の必修科目として「キャリアチャレンジ」をスタートさせました。学生が企業や自治体などでのインターンシップや、地域でのボランティアといった様々な活動を行います。これにより、他者との協働を通じて実践力を高めたり、ビジネススキルを修得したりして、将来のキャリアに活かすことができます。学生の学びのために地域の力をお借りした形にはなりますが、地域の方の立場に立ってみると、日頃あまり交流のない若者が来てくれて、新鮮な刺激を受けるなど、相乗効果が生まれています。
