教えてくれたのは

聖マリア学院大学短期大学部卒業後、看護師として大学病院等に勤務。修士(発達養育学)。専門は小児看護学。「子どもの保健」「乳児保育A」「子どもの健康と安全」など、保育保健関係の科目を担当。研究テーマは「看図アプローチ」による教育プログラムの開発。
どのような症状が出ますか?
- 最も多いのは皮膚症状です。
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食物アレルギーは皮膚に症状が出ることが多く、かゆみやじんましんのほか、むくんだり赤くなることも。また、口の中のイガイガやのどの違和感、目が赤くなる、吐き気などのほか、ひどくなると呼吸困難や意識障害を起こすこともあり注意が必要です。なお、多くは食べた直後から1時間以内に現れます。
どうして起こるのですか?
- 特定の人が、特定の食べものを摂取した場合に、
過剰な免疫反応によって起こります。 -
食物アレルギーの主な原因は、食物に含まれるたんぱく質(アレルゲン)。体内に吸収されたアレルゲンに対して免疫グロブリン(LgE)抗体がつくられ、その後、同じアレルゲン(抗原)が体内に入ると、抗原と抗体が合体してアレルギー症状を起こす...という流れです。
このアレルゲンは空気中にもあり、皮膚などから体内に入ることで、lgE抗体がつくられアレルギーが発症します。つまり、食べたからアレルギーになるのではなく、先に抗体がつくられていて、その後に食べたから症状が出るのです。カサカサ肌はアレルゲンが皮膚からからだに入りやすいので、しっかり保湿してあげると食物アレルギーの予防になります。
- 小学校にあがるまでに
8~9割の子どもが治ります。 -
子どもに食物アレルギーが多いのは、消化機能と免疫機能が発達途上だから。
そのため、年齢とともに治っていくことが多い病気です。最近では、「原因食物をまったく食べさせない」という対処法ではなく、過剰な除去を避け、症状が誘発されない“食べられる範囲”までは食べさせることが推奨されています。
- 複数の臓器に
強い症状が急激に起こることです -
アナフィラキシーは、アレルギー反応によって皮膚や呼吸器などに強い症状が急激に起こること。アレルギー症状が全身に起こり、血圧低下や意識障害を伴う場合をアナフィラキシーショックといいます。食物アレルギーによるアナフィラキシーは命を脅かすこともあり、アドレナリン自己注射薬(エピペンR)を使います。