中村学園大学・中村学園大学短期大学部

テーマ
食べもの絵本

教えてくれたのは

    野中 千都
    教育学部 児童幼児教育学科野中 千都准教授

    中村学園大学家政学部児童学科(現教育学部)卒業、鳴門教育大学大学院学校教育研究科修了(教育学修士)。保育士勤務の後、保育者養成に携わる。専門は保育学、幼児教育学。大学では「乳児保育」「保育内容総論」「保育内容言葉」等を担当。保育者の専門性や児童文化財(特に絵本)などについて研究を行っている。近著は『保育内容総論』(共著、同文書院、2019)。

子どもが『食べること』に興味・関心を持つには、
どんなことをすれば良いですか?
絵本を読んでいると、未就学児の子どもはお話の中に
知っているものが登場するととても喜びます。

普段食べているパンやおにぎりが出てくると「あ!これ食べたことあるよ!」とうれしくなるんですね。だから、食べものが出てくる絵本は人気がありますし、その『食べもの絵本』を通してさらに“食べること”に興味・関心を持つことができると思います。この年頃は「食べることに意欲を持つ」ことが大切にされますので、『食べもの絵本』を読む際には、“おいしそう”に描かれていることを大切にしてください。もうひとつ大切なのが、“みんなで食べている”こと。食べものっておいしそう、みんなで食べると楽しそう。みんなが知っている『ぐりとぐら』もそんな絵本です。この2つを絵本で擬似体験することで、食べることや食べものにより興味を持ってくれるはずです。

『食べもの絵本』を読むことで
どんな効果が期待できますか?
ついさまざまな効果を期待しがちなのですが…
意欲を持って食べる、楽しく食べることが一番なので、
絵本に効果を求めないことも大切です。

子どもだけでなく、大人もいっしょにただただ楽しむことができる。それが絵本の良いところなのですから。例えば、「食事マナーを身につけるための本」などもありますが、それを押しつけてしまうと子どもの中に「嫌だなぁ」という気持ちが生まれてしまいます。そうすると食べものに対する興味までもが失われてしまうかもしれません。

子どもたちに人気の『食べもの絵本』を
教えてください!
絵だけでなく写真を使ったものもありますが、
それぞれの良さがあるなと思います。

食べものだからといってリアルでないといけないわけではなく、本物ではないけど“おいしそう”に描かれているものが人気ですね。想像する楽しさがあるのだと思います。また、『くだものさがしもの』のように言葉遊びになっていたり、カレーライスが出来上がるまでの工程を描いた『カレーライス』という絵本も人気ですよ。